秋の月 晴れた宵口 爪の跡
宇宙の星の輝きは花火の川
秋の日にやっと見つけた自由と規律
もし、我々の時代がくるなら、それはいつだろう? もし我々の時代が永遠にこないとしたら?
この疑問に、的確に答えられる者は、果たしていない。だから、我々の時代は永遠につづくだろう。
宇宙に答えがあるとすれば……それは、すでに語られてしまったことだろう。
もし、我々の時代がくるなら、それはすでに終わってしまったことのうちに含まれているだろう。
もし、我々の時代がくるなら。
うぐいすの遠くで鳴きて朝を告ぐ
人を救う町の香り
既になき人の住む家のあとに揺れるハルジオン
かえるちゃん 庭で生きてる いつも鳴く
ぽとんぽとん パサッと 草のあいだや屋根に落ちてくる梅の実
夜の街 都市の香りとかすかな音
社会科学の基本公式:
a=b-e
eは不確定性を示す単位としてのエントロピー
aはある事象
bはある分析公式
・代数の由来
eは"e"ntropyから。
aは日本語の"a"ru jisyouのaまたは最初のアルファベットから。
bはaru "b"unseki kousikiのbまたはaの次のアルファベットから。
・なぜeの単位がマイナスなのか?
混沌度の逆数として社会秩序度に注目する計算の簡便化の為。但し、勿論プラスの値で使ってもよい。
神の歴史書:
全宇宙をホログラフィック原理でデジタル単一文字列にした時のその文字列。
光速度可変の原理:
引力場の近くでは光子が引力に引き寄せられゆっくり流れ、引力場の遠くでは速く流れる原理。
時の川:
光速度可変の原理によって時間に終始がなく、川の流れのよう流速がある事。
ライト・ホワイトホール light white hole 光白点(コウハクテン、ひかりハクテン):
素粒子単位で最も軽いと考えられる粒子(2025年4月段階で想定される光子)が極大値に集まる点。
マイクロ・ホワイトホール micro white hole 微小白点(ビショウハクテン):
最も軽いと考えられる粒子(2025年4月段階で想定される光子に限らず)が極大値に集まる点。
宇宙の毛細管:
情報がブラックホールから時空をこえ別のホワイトホールに様々に微細な変更を伴いつつ噴き出す構造の比喩。
複素数ワームホール仮説:
宇宙の毛細管が通っている別次元の情報経路がワームホールに該当するという仮説。数式なら、質量はmassの頭文字から代数m、情報量はその最小単位bitの頭文字から代数b、また虚数単位iことiの2乗=-iで定義される虚数時空条件は代数iとしたとき、複素数ワームホールの仕事量EはE=m+biの形で表せる。
虚数時空仮説:
複素数ワームホール仮説で示されるiが別次元の物理法則にしたがうとする仮説。
逆オーパーツ、未来オーパーツ:
過去からきたと考えうるロストテクノロジー風オーパーツの逆に、未来からきたと考えられる、現代科学では解明できない奇妙な進歩技術的遺物。
時空冒険可能仮説:
仕事量をE、質量をm、情報量をb、虚数時空条件をiとしたときの、
複素数ワームホール公式 E=m+bi
を変形し、
b=(E-m)/i
としたとき、右辺の分母である虚数時空条件iが右辺の分子E-mと同じ比率の数値であれば情報量bは変わらないといえることから、特定の虚数時空条件すなわち引力場の半径が分かっていれば、そこに投入しても無事に別の時空につく事のできる、崩壊しない情報量の最小単位が計算できるとする仮説。
最初の時空勇者:
時空冒険可能仮説を実証する為に、人類で最初に時空冒険後に元の時空に戻ってきた人。
宇宙の毛細管現象:
時空冒険中の虚数時空での複雑多岐な運動現象。
虚時空計算可能仮説:
宇宙の毛細管現象は複素数ワームホール公式の虚数単位iの代数で示される虚数時空条件で数字上計算できる事から、定量的に計算できるとする仮説。その際の虚数時空条件iをまた物理的に「虚時空」と定義できる。
ロボット虚時空冒険案:
最初の時空勇者の前に、ロボットで時空冒険の実験をする事。
まえがき(或いは残されていた手紙)
実際ぼくにとってそれは、偶然というにはあまりに、できすぎたことだった。だからだれにとっても自分が経験したことを理解してもらえるとはおもえない。だが、自分としては、そのことをだれにも語らないのは、いわば永遠にのこるべきルビーの様な宝石の輝きを、既に忘れ去られた最も価値がない砂漠に埋めてしまうことに近かった。それで、自分としてはこの様に、すべてを記録しておこうとおもうのだ。
あまりに遠い時代から、自分にとってはすべて語られうる範囲にあり、語られえない範囲からは遠すぎたのだとおもう。すべからく大切なことは、手に入れた時には手遅れになっているものだ。自分にとって自明なことが、他人にとってもそうだとはかぎらない。だが……自分が考えてきた、あらゆることは、すでに手遅れに近かった。
もし、万物が正しい位置におちついていさえすれば、僕が経験したなべてのことは、再びすぐれてよいところにおちつき、二度とわれわれの心をわずらわせはしないだろう。まるで小説と名のつく嘘のすべてが、なくてもいい本棚になくてもいい話をとどめているかの様に。自由とは、根本的にその様なものなのだろう。
われわれの人生が、もし意味のないものだとすれば、われわれの本質にあるものだって、そうだろう。
もしすべての世界に有限な生のなんらかの意義が与えられていたとして、それがなんだろう? われわれは死にゆくもの。
森羅万象が失われうるものにすぎなければ、この人生だってそうだろう。だれにとっても意味のない人生をたどり続けることに、どんな意義があるというのだ? 事実、われわれにふさわしい人生といったものには、根拠がない。その崩壊的なありさまといえば、われわれにはどんな救いの余地もないといってもいいほどのものだ。
この星にはどんな期待も希望も持てないのだから、われわれには絶望しか残されていないのだろう。そして、そのこと自体が最後の希望といってもいい。
もし宇宙自体に意味がないなら、この惨めな島国に定着している、陸でなしどもだってそうだろう。いかに愛すべきわれらの母なる地球とやらにたまっている連中の底意地が悪いことか! そんな人々になんらかの希望など、あまりにおこがましいというべきだろう。だからこういえるだろう。破滅的な人々には滅亡だけが、ふさわしいのだと。
一
そのとき、僕は果てしない星の一角にいた。僕にとって、世界の存在意義は、特になかった。というのも、この世のなかに特に意義という意義を、すこしもみいだせなかったからだった。
ある日、僕は実につまらないこの世から去ろうとしていた。それで具体的にいうと、東京の新宿駅のペデストリアンデッキにいた。年月としてはいつごろだったろう? はっきりとした記憶はない。でもまぁとにかくそこは、京王線の出口の上あたりで、僕はそこにいた。
別にそこから物語という物語がはじまるでもないので、それだけだけど。
二
私にとって、真実はあまりに遠すぎた。それで私は消えてしまう惑星の一部にいた。実際、そんなことすら過去のことにおもえる。実際、過去のことにすぎない。あの惑星といえたろう塊は、なにか気のせいかのように遠くに逃げて行ってしまって、近くにはない。もう消えてしまったのだった。
「嘘ほど遠くなり、真実ほど近くなる」と私の星ではいうけれど、それだって本当の説ではない。
三
あなたがたはいう。としがいもないと。もしそうおもうならそうおもっていればいい。心のうちにあるのは真実だけなのだから。
四
急に消えてしまった心。
一瞬は永遠より長い。
五
すぐにでもここを出してほしい。私に残されている時間は、短い。
六
もし詩人さえいなければ――つくりごとさえなければ、プラトンは十分に満足していれたろうか? 芸術家たちは、まるきり反社会的な存在にすぎず、彼にとって理想の国が現れていたろうか? だが、彼の理想国は遂にはどこにも現れなかった。代わりに現れたのは、ありとあらゆる多様性と複雑さに満ちた、現実の国々だった。
詩人は今日も浮き世を憂い、真相を訴え、理想を唱えている。
七
もし糸井重里さえいなければ、任天堂が作ったあらゆる商品の中に、何もいいものはなかったことになってしまったのかもしれない。ものごとには奇跡の瞬間があって、ある日、ある時にはその瞬間がある。糸井は、まるで天衣無縫の寓話詩人の様に、あれらのユーモアに満ちた言葉を紡いでいたものの、誰も、それがありとあらゆるゲーム中で、最上たりうるとは想像もしていなかったはずだとおもう。いや、単にゲームとしてだけではなく、ひととして、かもしれなかったが。
八
僕は『ポケットモンスター緑』を大昔にやってあまりにつまらないので大いに呆れた。しかし、のちに『パルワールド』をやって、それなりに感心はした。どちらもなにかの偽物かその応用にすぎないとして、両者の結果たるできばえが、まるで違ったからだ。
九
「急になに?」と春は言った。「何か用?」
「別に、用というほどのものもないけどね」
秋の風は、さも急峻な崖を駆けくだる武士の乗りなれた駿馬みたいに、あちこちから二人のあいだを駆け抜けていった。
「現実と名のつくすべての現象が、仮に、気のせいだったとしたら? 君の起こしたあの事件も、ただの現象学的還元の様なものにすぎなかったのかもしれないよ」
「哲学の討論をしているのではないの」春は組み込み式の振り子みたいに、あっちからこっちへと、実に重い球体を両側へ急に振り回すみたいに言った。「もし用がないなら、この電話切るわね」
僕はとても困り果ててしまった。だって、それが真実なら、この世のありとあらゆる面は、用という用もないまま、宙ぶらりんの錆びたゴミ箱みたいに、重要度が足りなく思えたのだから。
「正直に言っていい?」
「ええ」
「哲学の討論より深遠な話がもしどこかにあるなら、それは君の帯びている魅力以前のものだろうよ」
「くだらない小説の読みすぎ?」
「けど立派な話だ」
「スウェーデン・アカデミーにとってもそうならきっといいわね」
手元のアイフォンは、そう言うと「シュオン」と珍妙でなくもない電子声を上げた。どうやら会話といえるものがそこで終わった合図だった。
僕はやれやれ、というと、しばらく歩いてから、シャープ製の学生時代から引き続き使っている、銀色の冷蔵庫をあけ、手前のポケットからレモン水の瓶を取り出し、また書斎に戻ってきた。テーブル上に置いてあった綺麗な地中海の町みたいな青色の、無印良品で手に入れたガラス・コップにそれを注ぐと、また立って、今度はキッチンに向かった。そこで夏の真ん中に出てくるつめたい水道水を少し注ぎ、しばらくくもりガラスの窓の外の緑のぶれたそよぎを眺めてから、おもむろに飲んだ。そのとき忌まわしいほどでもないが、少しわずらわしい感じで、あのアイフォンと呼ばれる大衆的な製品が再びピコンと偏屈な音を立てた。机の前ににもどると、その手のひらサイズより少し大きな画面には、下部にちょっと通知が出ていた。春からのアイコンがついている、不思議なメッセージだった。
「もし季節が戻ってくるなら、あなたにもきっと春がくるわ」
十
あの万事整理され、未来の公園のなかみたいにすっきりしているつくば市に暮らしていて、その名のつく大学の学生だった頃の僕は、宇宙の構造について毎日深く考え込んでいたものだった。物理学の究極があの頃の僕の目的だった。でも、それが不首尾に終わったと知ったとき、僕は神になりうるという青少年期の憶測が外れ、大層がかっかりしたものだった。
それは、名作に影響を受けたと公称しておきながら、中身はできそこないの悪質なファミコンソフトもどきを、はやりものの話題性だけでさせられたときみたいな気分だった。現実のファミコンソフトにあんな低次元なインディーズ・ゲームとてひとつもなかったはずなのだけれど。
十一
キラキラしている光のかけら。僕はそれをあの日見たのだ。一月の初旬というか、ついたちか、二日くらいだったような気もする。でも、実家に帰ってなかったとすればおかしいので、それより少しずれていたのだろうとおもうのだけど。
その日僕は、窓の外で雪が降っていた気配を感じ取って、冷えびえしたような空気感をも感じていた。それで、あの東京調布の下宿のまどのそとには白い化粧がされていた。まぁ飽くまで都内だから、都会化してしまってそれなりに汚い風景なのだけど。でも普段よりは綺麗だった。それで僕は自転車に乗って――それはのち、案の定ぬすまれたのだが――無印の銀色のお気に入りの折り畳み自転車だったのだけど――多摩川をどんどん下流までくだっていった。その途中で見たいろんな景色の、あのすがすがしさ。東京のまちというのは、普段いかによごれていることだろう。空気もだけど。そして二度とあの日あの時はこない。
十二
すべてをゆるすことができれば、楽に生きられる。
十三
親切なイルカの雌「信じがたいほど大昔から、この海はあるのですわ。ヒトという生き物になり下がったあなたがたには、ほとんどわかりえないことでしょうけれどもね」
十四
急にどうしたの?
別に。
もし以前のやりとりをおぼえているなら、その続きだけど……。
で、なにが目的?
特に。
以上のやりとりを小説に仕立てて。
もちろん、以下のやりとりを小説風に仕立ててみました。
「急にどうしたの?」
彼は突然の問いかけに驚いた。何か特別な理由があるのだろうか。彼女の表情には、少しの不安と好奇心が混じっていた。
「別に」
彼女は軽く肩をすくめた。特に深い意味はないようだが、そのひとことには何か隠された意図があるようにも感じられた。
「もし以前のやりとりをおぼえているなら、その続きだけど……」
彼は少し戸惑いながらも、彼女の言葉を思い出そうとした。以前の会話の断片が頭の中に浮かびあがる。確かに、何か重要な話をしていた気がする。
「で、なにが目的?」
彼は少し警戒しながら尋ねた。彼女の意図を探ろうとするが、その表情からは何も読みとれない。
「特に」
彼女は再び肩をすくめた。まるで、すべてが自然な流れであるかのように。
このような感じで、短い会話を小説風に仕立ててみました。いかがでしょうか? 他にも追加したい要素や修正点があれば教えてくださいね。
十五
人間のいない世界を空想する。そこはとても過ごしやすいに違いなかった。
十六
高等生物という自称ほど自己欺瞞に満ちたざれごとはなかなかないみたいだ。
十七
さんざめくあの大きな海に乗っている
お日さまの上には待ち構える火星
知ることもなかった真理はこぼれおち
あなたは折角の休日を焼き尽くした
十八
すぐにでも忘れたいことがある。でも、その内容すら忘れてしまったのだ。書き込まれ切っているノートには、いまではどんな白紙部分もないのだけれど。