全く矛盾したことだが
僕は確かに貴女を愛している
そしてその愛はあまりに深く
仏陀の教えをこえて地球をぐるぐる回り
遂には貴女の全体重をのせて
自分にできるすべての試みをまじえ
消えないほど深く夢をみせる
その夢は貴女が何度でも生まれ変わり
何度でも自分と交わるものだ
僕はあなたを愛し抜くために生まれてきて
やはり同じ世界を形作るひとりの男で
貴女の不満のすべてをなくし
いわば冷めない恋を永遠に引き延ばす
もし貴女がいなければ自分はなく
その吐息もため息もことごとく計算どおり
やがては地上の土くれとなり消えゆくとして
やはり同じ神秘の奥地に辿り着く
その矛盾は理性にとって常に同じ
だから冷めているあいだ貴女はいう
恋はもうしないのだ
輪廻するだけの母体は懲りごりなのだと
僕が貴女を好きだというだけで大袈裟なので
自分は少し驚いてしまう
