2021年7月1日

けがれた者の姿

このけがれた世で
お前は同じくらいよごれていた
何もかも同じくらいよごれているので
お前はそれで平気だと思っていた

清らかな人が現れ
お前のよごれを露わにするまでは

お前は恐れおののき
今では小さくなってふるえている
お前のよごれかたはもはや疑いがなく
ただの救われない乱倫者だった

お前は世間のよごれにこびへつらい
乱れた暮らしぶりも正義だと信じていた

清らかな人が現れ
お前の魂をえぐり出すまでは

ひと気のない海岸線にのぼる月が
お前の姿を露わにした時
あとには何も残らなかった