2010年7月16日

日本独自の台所事情

ほか先進国では消費税率が日本より高く、法人税率が日本より低い。ゆえ日本でもほか先進国の税率とすりあわせるべき、という考え方はおろか。

つぎの二つの疑問をおもいかえすべし。
1.なぜ消費税率で優遇状態にある日本へほか先進国の生計を営む個人が積極的に移住してこないか
2.なぜ法人税率で厳しい条件を課されている大企業法人格が他国へと逃れ出ないか

1.の疑問は、言語と文化及び立地の壁が厚すぎる為かも。つまり限界消費性向が十分みたされない(欲しいとおもう物は山ほどある)のに、日本国内で消費が進まないか詰まってしまうのには別の原因がある。おそらく最も想定しやすいのは「貯蓄指向の極端なつよさ、国民の将来不安性」にありそう。
だからこの風土にのまれると、たとえ消費に寛大なほかの民族からの移入者といえども、貯蓄へ財産を無益なまでに回して現世での商品の購買を抑えようとするかも。

2.の疑問は、日本人か日本民族が独自すぎる文化を母系としているため、容易にほかの地域へ定着しづらい条件がありそう。これがゆえ有利不利の経営事情にかかわらず不合理な選択な国内留保を普通としがち。

 私はこの二つをおもいみて、日本では財政改良の要点がほか先進国とはちがうと考える。つまり『消費税率の最低化』と、『国内発祥からある期間をへた法人格へ税率の極端な上乗せ』が要る。
これらの施策では、常識でおもいこせるのはたとえば中国人の大量移入か旅客で国内の消費がほとんど賄われるかもという事態と、老舗の台所事情の切迫で多くの国際化した企業は国内から撤退するか本社を海外移転するという未来。
がこれらの特殊な事情とひきかえに、大多数の国民は経済面で潤い、同時に新興な冒険企業や留保資本の足りない若手起業家にも生き延びるための余剰が産まれるだろう。そしてこの功利の方角は、集客用の芸能としての伝統産業保護の政策を各地の自治体が自主先導するたてまえがあれば、ごく格式高い老舗すら潰れる侭にしておかないだろう。