2008年12月10日

手袋

空高し
めまぐるしく変わりゆく世にゆっくりと変わらず流れる多摩川よ
大磯の海辺に咲いた浜百合の
夕凪にまみゆなつかしき記憶の底に眠りゆく
何方かの声も潮風に
消えてしまえば儚くはおもえどかなしき冬の渚と
神の子の訪れし日にも近つけばざわめきさわぐは極東の小人達の為に御祈り申さむ
窓際に置かれたトナカイゆきを待て
手袋を落としてから拾う風の冷たさ