2023年8月23日

陰謀論の可謬性と、不可知論・懐疑論との差。或いは陰謀論の一般文明内での根本限界と健全な位置づけ

陰謀論者は客観的事実認識が多少あれ素朴にできるとみなすが、不可知論者や懐疑論者は原則的にできないとみる。このため、陰謀論者らにとって世界は不可謬な認識つまり独自信念の束で構成されているが、不可知論者や懐疑論者にとって、陰謀論を採用する人自身が可謬的である。
  陰謀論者の存在根拠は当時の思想範型内での非常識への少数支持の為であり、それをこえた可謬主義に無自覚な陰謀論のはびこりは自他に有害になりうる。したがって、不可知論や懐疑論からの批判的検証によって、絶えず陰謀論の領分が十分狭められる事が、健全で良識的な文明形成に繋がる。