2013年6月12日

目的

最初に気づいた頃からずっと
そこにまちつづけていた
最初から座りつづけていた
浜木綿に蟻とかもめのさなか
はじめのできごとまでもかならず
そこでおぼえつづけてた
はじめからねがいつづけていた
ばらの花が咲いては枯れてしまった
もしものことづてだからきっと
そこが最後の瞬間だった
もしかしたら雁字搦めのこの世に
最初から悟りすましていれれば
みたこともきいたこともない
世界のはてまでさがしたところで
のぞんでもねがってもいない
庭の蓮の池にうつりこんでいて
出会いと別れをくりかえす季節達
はるなつあきふゆのめまぐるしさ
ずっとつかずはなれずのゆめとか
ふれたこともみつめたこともない
谷底の景色さえアパートの階段すら
もとめてもえられもしない
町のあちこちにしるしされていて
罪と過ちの合間に奏でられた囁き
時代や芸術のおごそかさ
きっとわすれさられたあの海風
決して手に入らなかった
優しさの目的