2007年11月2日

地球人類学

地球は宇宙全体においてどのような地域にあるか。地球人類が宇宙全体の中でどのような地位を持つかを調べる方法は。もしも人間のneoteny化が漸近的に進み続ければ、未来には我々が想像したエイリアンに近い、頭でっかちの赤ちゃん的な遊戯人が現れるだろう。だが、そういう新生人類は現生人類とはほとんど関連を持たない。ちょうどチンパンジーと人類とは異なる社会圏にある様に。
 仮に彼らを未来人類と呼ぶと、そういう未来文明に適応した個体にとって、当然ながら社会体制を含むコミュニケーションスキルにも多大な進化があって、我々の非ではないような通信言語が存在しなければならない。従って我々には彼らの会話が理解できないばかりかあたかも機械が発音練習をしているかの如く多様かつ単純な音声で疎通する。鳴き声から言語へ、という筋書きを考えれば言語は未来において更に情報処理の緻密な単純さを獲得するだろう。アクセントは徐々に消えて、短いパターンに複雑な概念が抽象される。たとえば日本語の文明がcivilizationの訳語性と文明らかの表意性を両義化するように、言葉自体は単節化しつつ、その抽象度は上昇し続ける。我々が原始人類の会話を拙く感じるように、未来人類は現生人類のそれを未開に感じるだろう。
 そのような未来文明においてさえ、地球人類にはどのくらい生存可能性が残っているかを検証しなければ。もし地理環境が極度に辺境なため、宇宙における奇形文明を築いているのなら、我々は自らの地球文化を少しずつ改良して行く努力を要する。人間原理は相対的である。