2007年8月22日

思潮論

学術は文化史脈上にしか実在しない。それは見えない人々にとっては生涯見えず、見なくて済むものでさえある。
 文化史脈は世界諸語族の連想形式に由来する。それは伝統的なもの。例えば哲学は意味に於ける、文学は記号に於ける史脈を抽象する。それは単なる言語学の命題ではなく、個人的世界観について。科学の地位が向上する事は我々の中の知性を重視する人類思潮の謂い。それは前二者と同様に認識を抽象する。哲学は理性の、文学は感性の人類思潮。
 又、科学・哲学・文学とは文の領域傾向に過ぎず、その境界線は時代思潮の偏見でなければひたすら差延の合間にしか引き得ない。