2006年1月7日

享楽

若者に性的享楽を許さないなら、どうして若さは性欲を刺激する魅力に満ちる必要があるのかという問いの答え。我々はそれを老年になった時の、衰えも消え去りもしない幸福、すなわち知恵と交換する為に禁欲を促し勉強させるのだ、と。端的にいえば昇華されたリビドーによる文化的営為の蓄積、文化資本の為である。
 教育の真の意義は人間に苦行を与えることではなく、動物的欲望に限度を与える訓練を自らさせることなのだ。これは少なくとも文明化の過程で見られた表徴だった。そして、この目的性に合致する物事を、我々は幸福であるとか、清明であるとみなす傾向を、文化上の道徳的にもっている。良識といわれるものである。