愚かな人と悪い人しか殆どいない様子の関西や東京では、まともな人物は逆に陥れられてしまい、出世できないか、汚名を着せられている。愚かな人はよしあしがわからないし、悪い人は善い人へぬれぎぬを着せて悪い人をわざとほめちぎる。紫式部や石原慎太郎の様に、関西や東京では悪徳賛美者が名士扱いだ。
関西地方や東京都は、この意味で、予てから衆愚の集まりだと考えていいだろう。逆にある集団で、道徳的に優れた人物や敬虔な心の持ち主、立派な技の担い手、或いは優れた知性などまともな長所が敬われているとすれば、その集団は平均的にみた判断力がしっかりしているといえる。
名士はその文明の似姿だ。