2019年8月21日

悪人の因果

人格的に劣悪な人物が子供を産み育てていると、なぜそんな邪悪な遺伝子がこの世に残ってしまうのかと悲惨と不条理を感じるが、性格も遺伝する要素がある以上、凡そ親に似た子供もまたそう思われながら生きていくことになる。死を願われ、憎まれながら生きている人間が幸福だろうか。悪人の生は苦しい。
 悪因を積み重ねておきながら、禍がないと考えている者は単に道徳法則を知らないのだ。そして僅かな悪因を軽んじている者は、単に償いの為だけにすらそれを補うに足る善業が必要になるのを知らない。必然の層で大きな不幸に見舞われた人の過去の原因をよく観察せよ。例外なく重大な不徳の印が見つかる。