2011年5月12日

普遍学の創始

各場所学の総体は、どの民族哲学もの補集合として普遍学を築く。そして普遍学の元にのみ普遍善や普遍な正義が理解できる基礎ができあがる。博物学は形而下の命題のみ追いかけるが、場所倫理をこの領分へ引き入れるにはどうしても国際や民族哲学間の重ね合いがいる。故に普遍学の完成を待って初めて、元祖皇帝が出現するであろう。偽皇帝は革命され、最高級道徳のみが場を占めるであろう。この総合哲学を身につける権能をもつ身分や血族は限られ、その元素に於いて世界国家を築く。
 世界民族の登場は普遍学の完成の後で、それ迄は無数の少数民族が林立する。彼らの築く村は学業の、従って倫理組織の条件を提げもつ。それらのどれも単体で普遍美をもちはしない。
 もし総合した学問が為し得るなら、その域は必ず文明折衝の的。そして繁栄の要により進んだ芸術が置かれるなら、一般の文化素学やそれらの史学な係留は発展へ理念学を用いるもの。従って高等民族や合神格さはより理念素面での高次元な調和を理解しあう。社交界の美化はみな調和学に、乃ち芸術創作へのたくみによる。どの語素もかの文芸の借用なら、文明の敷衍は属した素材と既存環境間の料理とみなせる。