あの城をみろ
呪われた嘘で塗り固められた
小さな落書き
きのうから降り続く冷たい
雨がこのよに
のこっている数えきれない
魂の恨み言を語ってくる
僕は見る小さな小さな入り口から
その大きな遺構に入り込み
大空にあいた光の粒が
亡くなった無数の戦士の
呻き声をキラキラと
透明な空気に磨きたてるのを
さあ大声をだすんだ
ここでは誰の胸にもしまわれない
どんな叫びだって消えうせてしまう
無数の野蛮なヤマトが攻めたてて
亡ぼした墓場は残した
こうして目の前に広がっている
寂漠とした荒城の跡
だれもいない眞の日本を