ぽっかりと浮かんだお月様
やがてはおちてくるのかしら
もしこの世からきえていく
すべてのこまやかな命が
こめられた小さな
星のめぐりゆきですら
ただいたずらにきえゆくもの
だからしずかに耳をすませるといい
うそつきの王様にたかる
かぞえきれない虫の波打つおと
どうせすべてがきえさったら
その城にはあとかたもない
あのお月様の声に耳を傾けてみなさい
夜ふかくに
自動車を停めている空き地
昔そこには薄の原っぱがあった
多くの命をはぐくむ小さなすきま
秋雨はやさしくおおつちを打つ
政治屋がでてきた
そいつらはよりあつまりわるさをたくらむ
金をかきあつめて自動車にかえた
排気ガスの道路を満足気に眺める独裁者
その空き地はいまではアスファルトで固められ
コンクリートの重たい車輪留めしかない
きえてしまった殿様ばったは何を見る
くだらない倭人のすみかだ
もし天罰がくだるなら
こいつらの他にいない
すべてを金にかえて
世界中で漫画をよみあさるこがね虫
おっかしい
なんでこんなへんちくりんなの
背のちぢんだかねあさり虫
どこへいっても発情ばっかりしてる
みにくい姿をかくす場所もなく
その石づめの巣にすまってる
人差し指でぴんしてご覧
こいつらみじめな倭人がふきとぶよ
どこからあつまってきたんだろ
あつまるほどきたないふえちゃう虫
そいつらはテレビでなにを言ってる
どうせ虫の声なんだ