2010年6月30日

民族語学

特に近代化という意味で欧米思想を十分消化していない文化層、じかには土着層の中で古代の名残なウチという用語がつかわれるのを日本社会の変わり種さへみられる。そのウチは、4人称とでも呼べる人称類型を示す。
1人称代名詞→ワタシ
2〃→アナタ
3〃→カレ
4〃→ウチ
このウチが示しているのは、123の人称が指す全員であり、同時にそれ以外なソトとの対比。同じく朝鮮語にも類比できるウリ≒ウチという言葉がある。稲作の農村文化内ではソトとの区別が、その用地を荒されない為に強く認識されるをえた淘汰の為と思える。又複数化してウチラと彼ら土着層が言うとき、それはソトの世界を除く個々の成員を直接指す。つまりワタシラ+アナタラ+カレラの中でソト成員を除く、という意味をもつ。一般にこの4人称代名詞は、必ずしも特定の用語で呼ばれないが完全に無視されたのではないソトの対称への呼称で、単独では機能しない。