2010年5月2日

イギリス首相の失言問題

一部の急ぎ足のマスメディアでイギリスの首相が特定発言をした事に向けての非難じみた論説がみられる。だが、私の考えではこの批評は正当化されない。言論によってさえ外国の内政に干渉はすべきではないからだ。
 それは単純な事実報道に終始される方がいいし、批評すべき人間は利害関係をもつ営利企業側に居るのではない。事件をどう考えるかは私的立場を除いて、ジャーナリスト自身の仕事ではないと思われる。
 比較的保守派も充実しているイギリスのたちからいえばそういう曲芸は難しいだろうが、わざと自分達に有利な世論形成を狙った虚実皮膜の報道を行う秘密内閣の様な計略じみた将来も十分想像できるし、アメリカでは実際に世論誘導は常に想定されている。よって国内マスメディアが一斉に一つの批判的観点から海外の首相発言をからかう様な状況は日本の文明度の低さを示す丈で、少しも褒められた進退でない。