上下関係を正当化して難無くいきのびるのを、生れついての得意技とした江戸土民はあちらこちらで、下賎な上司の悪念を代わりになって実行するに余念ない。その上司は、キョートからでてくる猥談のぬしを次々囲う。なぜならそれが和の伝統なのだから! 倭人とよばれてきた、西日本寄りの劣った血統。益々わるくなる、雑ぜられていく血。出た雑種は以前よりさらにおかしい。
キョートでは常識らしかった。
彼らの狂った性格は、この世を下品にすることへどんな留保もなかった。金を奪い、暴力団を集め、己の家を護らせる。かわりに全てを下落させる。彼らには己以外のだれもどうなろうと構わないのだ。自称王は、キョートの文法をはるかな異国の地、東京都でも相変わらず試していた。