僅かな奢りですら
波のなのもとに消える
殻のなごりだ
ゆっくりとした
掛け声であれみなは
鋭く切れあがった
波濤の捲る
単純な真似事なのだろう
余程でなければ
气づかれない
そうともしらず彼らは
波を繰る
渡しゆく青きそらへ
染め上げられた白云は不意に
のべつまくなき今をかたる
そういう昼あとの大空を
眺めつけ
大地へしめった
パンジーは花咲き青白く
ゆっくりとよのまちがいを糾していく
えり選れた個りが
若し万物の内に
宿るなら
ここにある
そとにある
特段のご配慮を承りまして
いずこ麗しゅう今の日は
まちのうえを流れ去ってまいります
さえなき群雲をいりくませ
旅のねに耳する
たくらみのよりどころなし
百合のねに
出ていく煙草のけむり
ケム川のほとり
利根川のすぐれる
治水のおどりと
間延びした
今の日は必ずや
舞いもどるでしょう