2010年3月23日

数珠

とおくからきこえる
僅かな奢りですら
波のなのもとに消える
殻のなごりだ
ゆっくりとした
掛け声であれみなは
海馬とどのつまり
鋭く切れあがった
波濤の捲る
単純な真似事なのだろう
余程でなければ
气づかれない
そうともしらず彼らは
波を繰る
渡しゆく青きそらへ
染め上げられた白云は不意に
のべつまくなき今をかたる
そういう昼あとの大空を
眺めつけ
大地へしめった
パンジーは花咲き青白く
ゆっくりとよのまちがいを糾していく
えり選れた個りが
若し万物の内に
宿るなら
ここにある
所有あらゆる魔法の術は
そとにある
特段のご配慮を承りまして
いずこ麗しゅう今の日は
まちのうえを流れ去ってまいります
さえなき群雲をいりくませ
旅のねに耳する
たくらみのよりどころなし
百合のねに
出ていく煙草のけむり
ケム川のほとり
利根川のすぐれる
治水のおどりと
間延びした
今の日は必ずや
舞いもどるでしょう