2009年9月25日

もしもあなたが消えてしまった言葉を探すのなら
深い海の底で眠りこけている宝の石を
静かにたぐり寄せればいい
どれだけささやかな
言葉のあやでも
世の中がとても素早く目まぐるしくうつり変わる
少しでも振り返ればもう先はないかも
山奥の畦道でだれに向けてでもなく咲いた
立葵の花が時の流れと共に
夜に紛れて行く
もし夜空のどこへでも広がったこの星屑の群れが
隠してしまったまことのせりふであれ
気づかぬうちに失くしてしまった
どこかで習った言葉だったので
もし大人が
美しく着飾った多くの嘘で塗りかためた建前を守り
あなたのかつてみていた数え切れない夜の灯を
まるで吹き消してしまうのだとしてもそれは
本のつかの間の夢