2009年9月25日

迎賓

いそがしい人々はそれをのぞんでいる
だれにであれただしく
降り注ぐお日様を仰ぐ子供の目には只
光が見える
つつましく暮らす一家が一体
よにも奇妙な王侯閣下の迎賓館でその
豪勢な夕食に紛れてよのはかなさを見るとして
月が回る
だがその表情を見分ける者は少ない
いつなんどきでも空で幾多の生き物を見守ってきたのだが
聖者と浮浪者が同じ晩餐会で恵まれた境遇を楽しむ日が
来るのを望んでいたのだ
人々は余りにもいそがしく
余分な儲けをしまいこんで貧乏人を見下す習性を捨て去らずにいた
休まず働いた挙げ句
もしすべてがお膳立てでも