いそがしい人々はそれをのぞんでいる
だれにであれただしく
降り注ぐお日様を仰ぐ子供の目には只
光が見える
つつましく暮らす一家が一体
よにも奇妙な王侯閣下の迎賓館でその
豪勢な夕食に紛れてよのはかなさを見るとして
月が回る
だがその表情を見分ける者は少ない
いつなんどきでも空で幾多の生き物を見守ってきたのだが
聖者と浮浪者が同じ晩餐会で恵まれた境遇を楽しむ日が
来るのを望んでいたのだ
人々は余りにもいそがしく
余分な儲けをしまいこんで貧乏人を見下す習性を捨て去らずにいた
休まず働いた挙げ句
もしすべてがお膳立てでも