救いのない社会で
僕は獣類に囲まれている
なんの感覚もない
貪欲なけものが
搾取せよ搾取せよと
教え込む世界に居る
生まれてすぐに
学校という檻に放り込まれ
朝早く叩かれて
愚鈍な仲間らと
頭の悪い校長の前に整列
貧血で倒れ込めば
すぐに手当されまた立たされる
金儲けできなければ家畜ではない
必修科目を詰め込まれ
分厚い眼鏡を何度も交換されながら
意味不明な自称講師の書いた
受験内容を丸暗記させられる
大学まで入れられたら
獣類同士繁殖の機会だ
下劣な仲間が性欲の話だけをする
下心を適当に隠さず
変な会合のあと性交しろと無言で煽られる
こんな豚小屋へ君を産んだのは誰だ
豚の両親がにこにこしながら
君を次の量産計画の為に
また早慶畜舎へ送り込む
僕は地獄の光景を目の当たりにし
単に目の当たりにするばかりか
嫌というほど何年も何十年も
豚どもと協力させられ
臭く気分が悪く不快な思いしかせず
協調性と服従性で身分を分けられ
また豚のやしろへ貢がされただけだった
神様は僕の遥かな頭上から
さるの末裔の末路を
冷たく見下していた
結論からいえば
生まれてくるだけ無駄な畜舎なのだった
あるのは永遠の業苦だけなので
君は鈍感でなんの知能もない
飢えたけものの一員として
学問の暇も剥奪され
好きな芸術も破壊し尽くされ
豚の糞に塗れた偶像の王様の足下へ
平伏す
もし逆らえば牢獄に容れられて毎朝
あの学校であったのと同じ苦役を背負わされる
この畜豚舎へ適応する為には
金儲けしかしてはいけないのだ
なにもない
世の中で僕は
真っ暗な場所を一人
捜し続ける
そこで静かに息をつき
誰からもどんなけものからも
邪魔されることなく世界について考え直さねばならない
神の計画を