2009年6月6日

計画

救いのない社会で
僕は獣類に囲まれている
なんの感覚もない
貪欲なけものが
搾取せよ搾取せよと
教え込む世界に居る
生まれてすぐに
学校という檻に放り込まれ
朝早く叩かれて
愚鈍な仲間らと
頭の悪い校長の前に整列
貧血で倒れ込めば
すぐに手当されまた立たされる
金儲けできなければ家畜ではない
必修科目を詰め込まれ
分厚い眼鏡を何度も交換されながら
意味不明な自称講師の書いた
受験内容を丸暗記させられる
大学まで入れられたら
獣類同士繁殖の機会だ
下劣な仲間が性欲の話だけをする
下心を適当に隠さず
変な会合のあと性交しろと無言で煽られる
こんな豚小屋へ君を産んだのは誰だ
豚の両親がにこにこしながら
君を次の量産計画の為に
また早慶畜舎へ送り込む
僕は地獄の光景を目の当たりにし
単に目の当たりにするばかりか
嫌というほど何年も何十年も
豚どもと協力させられ
臭く気分が悪く不快な思いしかせず
協調性と服従性で身分を分けられ
また豚のやしろへ貢がされただけだった
神様は僕の遥かな頭上から
さるの末裔の末路を
冷たく見下していた
結論からいえば
生まれてくるだけ無駄な畜舎なのだった
あるのは永遠の業苦だけなので
君は鈍感でなんの知能もない
飢えたけものの一員として
学問の暇も剥奪され
好きな芸術も破壊し尽くされ
豚の糞に塗れた偶像の王様の足下へ
平伏す
もし逆らえば牢獄に容れられて毎朝
あの学校であったのと同じ苦役を背負わされる
この畜豚舎へ適応する為には
金儲けしかしてはいけないのだ
なにもない
世の中で僕は
真っ暗な場所を一人
捜し続ける
そこで静かに息をつき
誰からもどんなけものからも
邪魔されることなく世界について考え直さねばならない
神の計画を