世間が愚か者を厚遇し、聖を不遇で処する様に見えても怨むな。
もし真に劣悪な所なら生き延びる価値がないからそうして聖者を遠ざけるのだし、万が一それらの愚か者どもが生き延びたにせよ、地獄での来世は絶えず悪くなりゆく以上だれも困りはすまい。
――田舎の僻地で育てられた奇形的人間が、血縁を権威化する方便にみずからを神に仕立てたところで決してその能力は全知全能にはるか及ばぬ。
偶像崇拝する狂信者らがおろかな戦争で大量死したり、神の喪失から普段に野蛮窮まりない不幸を多く経験したにせよ、それらの地獄巡りはやはり自然の英知の観点からすれば堕落相応の報いなのである。