2009年4月19日

世襲衆議論

元冦後の藤原氏の衰亡や関東軍の実質的独裁による忘れえない大敗北を歴史的経験として豁眼するに、実質的な世襲政権の支配は概して近視眼となりやすく、統治の方針として最善ではありえない。ここから、世襲議員を衆議へ認めることは避けねばならない。イギリス民庶議優位の原則はまったくその権力の癒着による腐敗速度を遅めるには民主的議決のかなめだろう。
 血縁を利用して権限を伸ばす貴族的偏見を平然と隠さない独裁は国政を大きく傾ける自民党の癌細胞となる。
 古今、当時の世論すなわち視野狭窄で現世利益をのみやみくもに求める庶民感情に合致した扇動政権が長続きした記録はない。徳川末期でさえ一橋派は質実剛健の気風を重んじ、大老の密勅へ具体的な実力行使をもって最大限対立していた。