2009年4月14日

特権階級増設論

我先日痴呆の老婆が病原菌を都内満員の電車内へ咳込み盛んに飛散させるを目撃したり。
 然るに日本の無階級社会は将来、あの種の惨劇から大きな損害を受けなければならない。もしそれが中流階級車両しか存在しない国家にたまたま乗り合わせたケインズであったならその社会は二度と景気を依然にまで回復させないであろうし、たまたまニュートンであったなら数千年近くを無明の境で彷徨い民族ごとほかの知的集団に解体されるであろうし、たまたまダーウィンであれば創造説の過信を修整できない弊害の為に血統の意義をも失ったであろう。

 特権階級の存在意義を滅却させた、又はさせるのを疑いない善意であると信仰した大衆社会の現象は、近々凡庸なだけの際だった変異のない均質化した同系遺伝子集団の大量絶滅を予見させるに十分である。もし天皇制があればどの階級も無用と述べるつもりならたった数名では変異幅が他集団より圧倒的に不足すると結論できる。ここから、格差論が血統上は特徴を持たない凡庸遺伝種プールからの根拠のない怨念であると考えて間違いない。

 もし少しなりとも理性の残った貴人がこの奇怪な島国に残存していれば、最優先の社会的課題が特権階級の増設であると直観する筈だ。さもなくばあの種の遺伝的伝染病により既存種の全数が死滅しても自然の賢明さを人員整理と述べるしか間がないのだから。中流のみの社会は極端に変異幅の狭まった、免疫的弱点のみの構造体でしかない。
 人間社会では最も極端な形質が、超極端さであれ超中庸さであれ種の生存の為に保存されるべきでありいかなる観点からさえ凡庸がそうなのではないと知るべきだ。