2008年5月4日

人倫経済の原理

バベルの説話に有名な様に、自然は文化思想に格差を設け、その為に相互を契機づけとして競合体を形造るよう指図した。だから人間のまとまり自体が拡散と進化を宿命づけられているとして必ずや無理ではない。それらの並在した前後継起の差延体系は、全体としてuniversalityが生態系の秩序に調和する為に仕組まれている。左もなくして我々は如何に政を図りうるか。若し言葉が一つなら、我々は文化を相違させる由なく、従って権力は一極集中を免れず、頽廃を救う手段を失っただろう。
 これらの文化格差だけが差延体系間に通訳摩擦を生み、従って種分岐と思考方便に甚だしい人倫懸隔を以て分業を加速させる原理。
 全ての文化は決して完璧たる事を達し得ず、同時に文化浸透の原型となる力量により、風習を異ならせた諸民族の間に改良を促す運動を続けて行く。人間生活自体がこのような環境情報のやり取りに他ならない。