2008年5月18日

情報生態的秩序の概観

生き物はより全き秩序を消化することで少なくとも細胞崩壊を弛める。彼らの実に多彩な形相は負の混沌度を更に薄めようとする中の、無際限な分裂と合成にある。複雑な生き物はより単純な生き物を新陳代謝するような体系を築く。では人類は。彼らは少なくとも近年は天敵を持たない。しかし未来は。
 人類が情報として排泄した宇宙のごみは、他の理性的生物にとっても何らかの食べ物になりえるだろうか。もし彼らがより複雑ならそうだろう。ならば、人類文明とはおそらくはより複雑な例えば人工知能を経た純粋な機械の様な生き物の為に絶えず生産される新たな消費材である。人類自身は少なくとも彼らより秩序立った自然からしか食材を得ない。しかし、他の理性的生物にとってはどうか。
 彼らが延命するのは細胞の協業により、尚更に複雑な生態を実現する為。だから後生は必ずや現代人より遥かに複雑奇怪な生態を以て地表を闊歩するだろう。我々は彼らの為に絶えず消費材料としての食費を払わねばならず、代わりに思想延命や或いは文明間の格差を買う。