2008年3月12日

人間達の暮らしに追い着くには。
日影の割り符を訪うには。
構わずに忍び足。
暴走しているからな。
何事もなく、とはよくも言った訳だ。
逆境などなど。
過ぎるからと言って追えば逃げる日々に懸けて。
貴様の理由も探る他に。約言すれば似合うだろうな。
君の。程良く。聞けばな。秘密にもなくて。
私は昔話の中で、遠い記憶の、深海の底で、貴方を待った。
もう失われて行った幾つもの想い出は、仄かに掻き消され。いつくしみの後へ。
かなしみの曲を奏でる、幾羽ものカモメよ。彼方達にも、かつては原因があり、目指す可かなしみが。
そろそろ、時間だ。
君は物語を閉じ、うつくしい世界を目の当たりにした。
意志の。雷の。こだま。
山あいの。杉林。雹が降り、一日、一年、やがて戻る。孤独の神様。
道端の。みかん畑。かなり深い、谷を見た。人々がとても住めそうになくても。
私はもう時間を気にしない。既に、目的とされる筈の待ち合わせは過ぎ、今では自由の身になった。
あたかも生まれ変わった心として。