哲学は科学の創作だった。従って、現代哲学が完成するのはコントの基礎科学体系に基づき、最も後発的な社会学の確立としての文明論においてだろう。アリストテレスによる各種自然科学の創作以降、例えばカントの批判体系も社会学の予備仮説としてのみ我々は受け入れうる。
もしも我々の世界観が全く違った体系に基づく異星文明に触れ、遥かに宇宙全域へ開かれた暁には、カントの敬虔な形容法に倣いいわば道徳神学として醸成された科学体系は、新たな世界宗教と見なされるだろう。
蓋し、現代哲学の命題は社会学の完成へ向けた各基礎科学の進展とその総合的応用としての社会哲学だろう。