2007年1月6日

反復

私は建築における対象性が反復の方法にすぎないこと、また反復自体が建築の目的でありその造型上の最も主要な抽象の手法となりうることを疑わない。だから対称の破格が反復の便宜に叶うかぎりその美術的意義を確かに認める。一方で、回転・混乱または対称への美学的な固執という少なくとも文化遺産の希少に反するものでない限り、神は我々へ再創造の自由を与えた。その最善の用法は全人福祉の目指す点に一致している。
 絵画や彫刻は単体としての反復を旨とするべく産まれたのである。作品が独創の産物であるならば、差異の反復すなわち散種を造形の最大の実現として覚えられる。絵画は平面における色彩の差延を、彫刻は立体における形態のそれを認める。