進んで不埒な姦淫に耽り、不実な悪男を追い求める女はひとりでに破滅する一方、終生貞徳を守り、善良な伴侶に寄り添う女は種々の道義によって救われる。
悪男と交わり、善男を罵る女は、自ら病院送りになって監獄へゆく。
善男をだましながら、悪男とも交わろうとする性悪女は、察しのいい賢女から鋭く「詐欺師」と罵られながらも、おさえのきかぬ自らの淫行でこの世の地獄へゆく。
女が自らの心身を重んじ貞徳を堅く守りながら、色々な甘い嘘をつき姦淫へひきずりこむ悪男の性加害に遭う事はない。貞女は人々に大切にされ、幸せを願われる。
姦淫で堕落した女がもとの清純な乙女に戻る事はない。これゆえ嘗て同情していた善男にも離縁され、世間に当然の後ろ指をさされつつ、どんな同情も正しくない自業自得の孤独の中で死ぬ。