もし君の命に中身がなく
きみの経験したすべては虚無で
ひたすら過ぎていく寒天の川のよう
美しくはあれど実感のないたばだったら
僕の心だけはそこに杭をさした狩人で
きみが大人になってしまったがゆえに
もはやとり返せない過去の流れのどこかに
どうしようもない引っかかりを作っている
だがその引っかかりこそがまことの愛だとすれば
きみは大きな間違いを犯したものだ
もしきみが川のどこかに流れつき
気がついてみれば水は干上がり
あとには荒れ果てた大地だけが広がり
死んだ植物たちとひび割れた星が残っていたら
僕のさした杭の周りにだけは
本のわずかな泉がわいていることだろう
小さな小さな小魚がキラキラした朝日にかがやき
ちょっとしたみどりとともにいこうその水たまりだけが
命のはじまりだったとしってから
きみはすべてが虚無だと思っていた世界の意味をしる