我々は言語圏を持っている。
(但し或る言語条件(言語障害)をもつ者をここでは仮に除く。特定の言語条件者は、その言語圏を出ない、とする。これは現実には微差や濃度を含む各異言語圏と分類される領域同士の相互作用を考慮すると議論が複雑になる事を回避する為の便宜であり、よって、この議論は現実の条件全てを説明しない)
その言語圏はそれぞれの人々を一定の相互関係に結びつける紐帯である。これらの紐帯は人を言語圏の外にはじき出さない様にする。もしくは或る言語圏の範囲に、人々をひきつける。それはやりとりの合理性の為である。
特定の言語圏はその言語圏に人を縛りつけている。これを同時に文化圏と呼ぶこともあるが、必ずしも文化圏なるものと重ならない。
言語の学習効率から、人々は特定の母語を持ちがちになる。
これらの言語圏は、人々を互いに異なる秩序へと至らせようとする。それらの言語圏の相互関係は、結局、世界政治史を作っていく運動である。