2021年1月1日

無限

そこに何もおちていない
ありうるのは夢
そして人の死体
死人達の羅列
だが一つだけでも僕は見つける
なにも失われえない
ありうるのがまこと
死んでいくものどものあいだ
ありうるのは理想
言葉一つになりもしない
無限の豊かさの上で戯れる輝く色彩
そして心の救い
生まれてきた事
今広がっていく海のただ中に
天空に輝く星々の一粒に
騒いでいる草原ソウゲン草花くさばなのつぼみの一つずつに
宿っている命が夜風に吹かれうたう物語に
あなたは歩みを進めている
あたかも残された時間だけが永遠エイエンに今を繰り返し
つぶらなひとみの子犬だけが
終わらない世界の証言者かの如く
この果てしない大海原の真上に浮かぶ月が
あなたの示す目あてへの海図かの如く
そこに落ちていた一つの鍵を拾い上げ
ありうるのは希望
そして人の自由
聖者達の行進
数限りない嘘の霧は晴れ
ありうるのがまこと
消えゆく意識の中でみた魔法
淀みなく流れち消える事のない喜び
そして水面みなもの映す無限に鮮やかな波のきらめき