サイモン・ウィーゼンタール・センターは、少なくともユダヤ人の権利を守る為には非常に有益な働きをしている。だがその公益性は、私の短い観察期間ではだが、飽くまでユダヤ教の選民思想の延長上にあって、常に人類普遍の人権擁護をしているわけではない。現時点では、しばしばユダヤ人に関連し派生的に擁護する場面もあるのだろう(例えばホロコースト記念碑前でのポーズ、ナチマークのファッション、ライブなどに関連した、BTSの原爆シャツ・ブルゾンへの指摘)。
国連人権委員会も、細かな人権侵害に一々対応してくれるわけではない。あいちトリエンナーレ2019年の時、その芸術監督が社会的弱者たる男性芸術家差別を公言していたので、私が居てもたまらず訴えたものの返事はなかった。当然といえば当然だが、国際機関が個々人の被害に構っていられないのである。
これらを前例に、理想の人権擁護組織というものは、先ず普遍的で、かつ、細かな人権侵害に最大限の助け舟を出せるものであるべきだ。