2020年10月2日

僕がSNSでみた2人の自殺志願者らのその後

僕はある時、自殺しようとしている人を見つけた。
その人は或るSNS上にいた。
それで僕は、その人を助けねばならないのではないかと考えた。
それには理由もあった。
その少し前、或る男がそのSNSで、自殺配信をした男の情報を持ってきた。

ダルマと呼ばれていたその男は片親で、兄も自殺しており極貧だった。
その男は自殺する直前、自分の一生をホームページ状にまとめており、我々はそれをみた。
それはとても悲劇的な物で、自分は酷く傷心した。

自殺配信そのものもネット上に残っており、彼の母親が仕事から帰ってきてその様子を見つけると、暗闇の中で彼の名前を呼んで慟哭するのが記録されていた。
所がサイトはすぐ運営者に消されてしまった。
その男の一生と一生をかけた記録は、彼を知る僅かな人々の記憶の中を除けば永遠に世界から消えた。

自分はその男の一生をなんとか留めようとして、『ひきこもりのだるま』というゲームで、彼の一生の断片を残した。
恐らくこれを除けば、彼がこの世にいたという記録は、彼の家族の記憶にしかもう残っていないのだろう。
僕の脳裏にあったのはその事だった。

自殺しようとしている人を放置していいものか?
SNSの上で、その女は25才で自殺するのだと語った。
周りの人々は半信半疑の様な様子で、半ばからかっているか、ネタだと思って素通りしていった。
その女の自殺願望話の間に挟んで、自分の随分頭の悪そうな恋愛相談を始める馬鹿そうな女もいた。

複雑な表情で、その女の自殺願望話だか恋愛相談への同調だかを見守っている自分を捕まえると、その女は身の上話を始めた。
その女は教育ママに子供の頃から酷く厳しいしつけを受け、何の自由もなかったといった。
それで人生に絶望し、生きていく気力がないのだと。
理由としては理解できる範囲だった。

僕は謎だった。
その女が人生に絶望している事がではなく、その女は、当時、どこかの大学生らしいのだが、就職したいといっていた。
自由がないというのも親が人生を管理していると思い込んでいるからにすぎず、成人して保護者に管理され続けるなどありえないのに、なぜ自由になろうとしないのか?

僕の脳裏には、また別の事が浮かんだ。
それは、やはり同じSNS上で、以前に自殺願望を語っていた女を知っていた。
区別の為にこちらをTとしよう。このTの方は27歳で自殺するのだ、と言っていた。
このTについても僕は、死から救ってやるべきではないか? と当時考えていた。
それは誤りだったのだが。

25才で自殺したがっている方をHとしよう。
HはTとほぼ同じ事を言っている、もしくは、似た様なルートを辿っているかの様だった。
この時点で僕は気づくべきだったのだ。
この種の言動をしている人達、特に女に関しては、放置すればいい。
当時の自分はそういう洞察を持つに足る人間理解がなかった。

初めに結論から書こう。
このHもTも、自殺願望を語るだけの理由は、彼女らの表面的な悩み相談じみた口舌とは全く別にあった。
つまり彼女らは、事の本質を隠し、嘘をついていた。
杉田水脈は「女は幾らでも嘘をつける」と言った。
少なくともHとTに関しては、これは確かな事であった。
理由も嘘だった。

T、27歳で自殺するつもりだと、SNS上で我々に繰り返し語った女の方は、三島由紀夫に憧れているのだといっていた。
これは当時は当人の中では演技的真実だったのかもしれないが、のちに嘘だったと分かる。
寧ろTは自殺するつもりなど初めからなく、演技性人格障害じみた仕方で、我々を騙して遊んでいた。

Hの方も事情は似たり寄ったりで、自殺願望を語っていた事すらのちに忘れてしまった様だった。
「幾らでも嘘をつける女がいる」
これは実際には、嘘をついていた事すら忘れてしまう女がいる、と言った方が精確だろう。
記憶力が低い上に認知も曖昧なので自分に都合よく過去を作り変えてしまうのだ!

だが僕は、まるでニワトリくらいの記憶容量しかない生物が、記憶障害を除いてヒトの中に現に存在するとは思っていなかった。
Hは正にそれで、のちに1年前の事を「大昔」と言っていた。
僕とはまるで違う生物だ。
僕は3歳児くらいから記憶が残っていて、どれも鮮やかだからだ。
僕はHと違う世界にいた。

HやTに共通の特徴は、僕には初めはわからなかったのだが、知れば知るほど性格が尋常ならぬほど悪いのだった。
彼女らが自殺したがっていたのは、嘘の理由で糊塗していたが、現実には彼女らの性格に甚だ難しかなかったからだった。
文字通り「しぬほど性格が悪い」と、自殺願望を抱く場合があるらしい。

Tの方は、僕が絵描きと知ると写真を送りつけてきて、肖像画を描けという。
それで一応容姿を知っているが、その写真で判断できる範囲ではだが、なるほど比較的ましな方なのだろう。
それで当人は普段から高慢で、自分は美人だと吹聴して回っていた。
しかし性格の方は、僕が知る全人類中で一番悪かった。

Hの方もこれまた、ある時、なぜか写真を送りつけてきて、お前は画家なのだからこの顔のどこがおかしいか言えといった。
はじめ気を使って直すべき所はないと言った。
しかしそんな筈はない、よくみて言えとしつこい。
なのでもし美人として絵に描くなら、標準顔からのズレを直す事になる部分を指摘した。

Hはこれを聴くや逆上しだした。
この時点でHの性格というものがよくわかるだろうけど、こんなの序の口で、もっともっと酷いのだ。
先ずHは当人がおかしいと思っている箇所と、僕が指摘した箇所が違っていたので、僕の画力をやたらめったら貶しだした。
だが僕は確かな目で言っているので間違っていない。

僕はそもそも誰かを絵に描く時、いい人だからか勝手に美の方へ修正しがちなので、どこがおかしいんですかとか聞くまでもないのである。
自動的にそうしてくれる筈なので。
しかしHがそれを聴いてきたのは、のちわかる事になるが、Tと違って絵の依頼とかではなかった。
Hは自称醜形障害で整形志望だった。

「同情は愛に似ている」
『三四郎』に美禰子が最後そう言う。
もしそうであれば、僕はこのTとかHとかに、初め同情してしまっていたと思う。
だから恋愛感情に近いものを帯びだしていた時期が、全くなかったとはいえないだろう。
単に僕の側が、だけではなく、TとかHとかの方もそうだった言動もあった。

しかしうつろいゆく女心なるものにせよ僕のプラトニックな性質にせよ、そこに深入りするのは希な事であり、
よく考えると頼んでもないのに写真送りつけてきてる時点で向こうの方に、何らかの意図があった様な気もする。
普通、信用してない相手に自分の顔写真なんざ渡すだろうか?
間接的意図を感じる。

ま、それはそれとして、僕の方の勘違いという事にしておくが、このTとHという2名は、僕を何度も酷く傷つけまくるのだった。
なぜなら彼女らは性格に難がありすぎる。
TとHを多かれ少なかれ知っている人々のうちそれを知らないのは素人だ。
Tはのち親から勘当されたとか言っていたが、勘当もするだろう。

なぜわざわざこれを書き出したかというと、僕は大体3日くらい前にHが濡れ衣着せてきたので遂に怒って、説教しまくってやったらHが消えたからである。
これで僕は酷く傷心した。
今も心がしくしく泣いている。
その泣いている理由を語りたいのだ。
まだその理由が分からないところまでしか書いていない。

まずHという人間を語るに、Tをもちだしたのは、Tなる異常人格の理解がその前提に必要になりそうな気がするからだ。
僕はこのTとHという2名を色々見知って、自分の中の人間観がまるで変わってしまった。
飽くまでネット上でみただけだけど、その方が却って偽らざる本音の性格がわかる面もある。

Hはしなしなと自殺願望を語っていたのに、一度いきなり自殺未遂後、途中で急激に方針転換し、半あばずれ化しつつ整形美女ぶりだしたのだ。
その変貌過程が凄まじい。
しかも多分1年半くらいの間にである。
元々性格はおかしかったけれども、変貌後の性悪加減が半端ない。
遂に本性を出し始めた。

Tの方はここで語りつくすには紙幅が足りないだろうほど、異常に次ぐ異常すぎる言動ばかりしていた。
そもそもこの小説っぽい回想文、Tが主題ではないからそこに深入りはしないが、僕の中にあるダークテトラドの実像を作った。
小悪魔とか超えて、正真正銘の悪魔だった。
見た目まあまあだから余計恐い。

事実は小説より奇なり。
これは確かであり、僕は小説より劇的過ぎる経験しかしなかった。
しかしそれはSNS上での出来事だ。
でもその中でもTとHの逸話は、僕を傷つけた度合いでいったら全人生でも相当のものなので、一番傷ついたのは綿矢りさスレッドで濡れ衣された事だが、その次くらいだ。

Tはまず僕の恋人なるもの――この人も同じSNSにいて、はじめ自殺未遂をしていたので僕が善意で助けたのである――に、嫉妬してたとのち認めた様な事を言ったが、自殺教唆しまくってきた。
しかしTは異常人格であり、発言のどこからどこまで嘘なのか誰にも分からないし当人もわかっていない。

Tはとかく僕の恋人Mをころそうころそうとしていた。
SNSのゲームとかでなく、現実にやりかねなかった。
一度とかそのSNS内のアバターで僕の隣に座るや、Mを一緒にころさないか? と殺人教唆までもちかけてきた。
TはMを騙しTの自宅に呼び虐待したいとか狂気の言動をしていた。
Tは本物の極悪人である。

Tは小説ファンで、語彙がしばしば明治文学に影響受けていたが、
飽くまでアバターを操って遊ぶ形式のSNSなのをいいことに、犯罪し放題みたいな悪魔的言動を年がら年中して、我々を脅していた。
Tがそういう気違いなのだと知っても、そのSNSの人々は気違いしかいないので平気でTと関わっていた。

いうまでもないが、僕は常識的人間である。
単に常識的なだけでなく、超良心派なのは僕の身近の人々はみな知っている。
当然恋人Mを守る行動しかしない。
Tは遂に僕をも中傷しだした。
Mと僕の根も葉もない噂を、Tの小説的妄想でまきちらし、僕の評判を下げようとしていた。
これはのち僕が討伐した。

時系列がずれまくるのはわざとだけど、
TはそのSNSが潰れてからも暫くツイッターにいた。
しかしそのTのアカウントが遂に消えたと誰かが僕に報告した。
これで書けてるのだ、これは。
Tは実名を明かさなかった。だからTは名誉をもつ存在ではない。
脅威が去った為、僕は安堵した。
とてもいいニュース。

けれど一抹の寂しさもある。
Tは書ききれないほど悪い思い出を僕や、Mの上に残した。
特に僕の上には、人間性なるものを絶望させる負の影響を残した。
人はTほど邪になれるのだと彼女は実証していた。
自殺願望を語っていたTに、彼女の志望していた小説を書く様に勧めたのは遠い日の昔になった。

TのそのSNS上での親友は、Iという女アバターだった。
けれどこのIは先日、ネカマだったと明かした。
それでTは衝撃を受けたのではないだろうか。
Tはその程度で何かが変わったりする人ではないのだが、
既に何度もアカウントを消しては復活しているので、
またいづれ湧き出すのかもしれない。

僕はこのTが自殺願望を語っていたので、
初期状態で性善的な僕は、
彼女を助けるべきなのではないかと考え、
小説を書く手助けになれる事はなんでもしていた。
しかしTは既に述べた通り、僕やMにとんでもない嫌がらせばかりしてきた。
ずっと後になって僕はTに、嫉妬していたのではないかと聴いてみた。

Tはその様だと認める事を言った。
大体、Tはすぐ妊娠するのが女性の優秀さだのなんだのといって、
僕とMの間に割って入って、半ば誘惑する様な事をいってきた事が、初めの頃あったのだ。
その時点で彼女は無意識にねたみを感じていたのかもしれない。
嫉妬するとは僕に恋愛感情を感じていたからだろう。

この様に問うと、暫く時間を置き、Tは急に自分は僕に恋心を抱いていた事があった、と認めるといいだした。
これはTが先日消える数ヶ月位前である。
が僕はもうこの時点でTなるものの荒廃した人間性に呆れ返ってしまっており、そうと認めさせてからは冷たく扱っていた。
するとTは僕をブロックしてきた。

単にブロックするだけでなく非公開にしだしたので、
Tのツイッターはアットメンションなど断片的にしか見えなくなったが、
その内容からは、相変わらず悪事三昧している様子が伝わってきた。
非公開にする直前に誰かと同棲しだしたみたいな演技っぽい投稿をしていたが。
とかくTとはそういう人物だった。

Hは、僕にはこのTとの断続的だが長いやりとりがあったので、自殺願望キャラとして第二第三、或いは第四くらいの人物だったのだ。
それで僕はこの人も似た様なもんなんじゃないだろうか、と安直に考えてしまっていた。
Tくらいのインチキ的なものが含まれていて、少し励ませば直るんじゃないかと。

だがHはインチキというより深刻に愚かだった。
話はまた一時的にTの事にもどるが、そもそも僕はTに自分が恋心を持っていたのではないか、とある時気づくきっかけがあった。
それは僕がそのSNSから離れている間に、Tが別の男に発情しあれこれ下品な言い方でツイッター上で誘惑してるのを僕がみた時だ。

それで、どういうわけだか僕は酷く傷ついた。
当時の自分がどういう狼狽加減だったか、身近にいた(といってもオンライン上でだけど)Mらは知ってるかもしれないが、
何か胸の奥を鈍器で殴られたみたいな感じで、よくわからない精神的ショックを受けた。
脳が痛いとか言っていた。
理由が不明だった。

大体、1か月くらいかかったと思うが、
その精神的ショックから自分が立ち直ると、
冷静に自分の心理を見返そうとした。
それでわかったのは、そもそも僕はTに或る高踏的上品さの願望の様なものを抱いていたらしかった。
なぜならTは僕の前では、実際そういうキャラクターで通していたからである。

Tは僕の恋人Mへの自殺・殺害教唆とかわけのわからない、小説家志望者らしいともいえなくもない悪魔じみた言動をするが、
それらの言動もどこか嘘っぽく、僕はこの人Tは演技しているのではないかと考えていた。
一方で性的言動を厭うなどある淑女ぽさもTは演じていた。
ある時摂家の末裔ともいいだした。

が、そのツイッター上で発情時のTは全然そういう感じではなく、
今まで僕が地上で見た事もないほど品性下劣な言い方で、愛知の軟派師を誘惑していた。
これが僕に人間性をますます絶望させたのだが、要するにTという人は元々演技性人格障害じみていたが、唯のゲスで淑女でもなんでもなかったのである。

しかも僕が、その軟派師に嫉妬しているらしいのも確かなので――何せその後SNS上で決闘を申し込みに行って、約半日くらい罵倒し続け降参させたのだが。
結局その愛知の軟派師Oは、Tと出会い行為とかしていたのだが、どうやらTへも他の軟派相手と同等の交尾目的くらいの扱いしかするつもりがなく退散した。

その後に、僕はさっき書いた通り、君は自分の恋人に明らかに嫉妬していたのではないか? とTに問い詰めたのである。
その前提にあったのは、TがOに発情してるのに僕が酷く傷ついたのは、もしかして初めから暗に恋愛感情を持っていたのではないか? と気づいた無意識の照射だった。

Tは大体が嘘ばかりつく人物で、僕も僕で恋愛観がプラトニックなので、
ひとたびTが自分も恋心をもっていた様だと認めると、
例えそれがTの嘘だとしても、僕の側はそれで凡そ満足してしまい、
それ以上なにかするでもなかった。
寧ろ僕はMを裏切る筈もない。
複数愛をTは唯の浮気だといっていた。

Hの場合、大体、昔のTみたいなもんで、何らかの面で性的に抑圧されており、フロイト学説みたいに性衝動をおさえつけなければ死のうとも思わなくなるんじゃないか、という仮説が僕にはあった。
Mの場合、それで既に自殺しようと思わなくなったといっていたので、要は愛情の欠如ともいえるだろう。

だが僕はHが恐ろしい性悪だとも、差別的言動がやたら多いとも初め知らなかった。
Hには一応、並くらいの受験知識があったので、一般知性がそこまで欠けていると思わなかったのだ。
結局、僕はこの後、1年半くらいかけ、Hの凄まじい迷走に振り回されまくり、最終的に濡れ衣を着せられる。

この文を僕が書いているのは、このHが25才で自殺しようとしていたのを僕が止めようとしたのが、元々間違っていたのではないかと気づいたからだ。
この世には死んだ方が、公益的な人もいるのかもしれない。
Hは結局、自分の生まれもった性格など殆ど変えようがない筈だ。
それなら一生、公害的であろう。

Tの場合もそうだったが、極悪人とか性悪とかの部類を、こちらが幾ら善意だの慈愛だので救い上げようとしても、
それは寧ろ社会的には公害行為になるのかもしれない。
キリスト教では信者をふやす目的で自殺を止める。
だが極悪人や性悪が生き延びてなんになるというのか?
世の中に害をなすではないか。

1年半だか2年くらい散々迷惑かけられまくり、
その挙句、濡れ衣着せてくる様なH。
成程僕の人がいいので、そういう人に同情してしまっていた。
でも本来、彼女をスルーしてた他の人達と同じ振舞いで十分だったのかもしれない。
僕が傷ついたHを助けようとするほど、逆に噛みつかれて致命的に傷つく。

僕の心が泣いているのは、
単に善意で接してきたのに、濡れ衣を着せられ悲しいだけではない。
この世には死んだ方がいい人がいるのかもしれない、との現実の真相に気づいたからだろう。
Hは恐らく僕ほど傷ついていない。
寧ろなんでも他人のせいにしたてる性悪なので平気だろう。
自殺は時に正義なのだ。

Hが世話になったろう人に、野生動物みたいに噛みついたのは、
そもそもHがヒトとして野蛮だから、粗野な生き物だからに他ならないが、
もしHが自殺未遂で終わらなかったら、Hはそれに一生自分で気づく事もなかったのだ。
メスとしてあるオスに発情し、恩人には悪意で噛みつく。
命は助かったが退化だ。

Hは大体、パパ活前座だの家出だの大学教授との酒によっての情事もどきだのやたら下卑た迷走の末、
自分から終生独身の立派な人として生きようと決めたと言い出したり、
孤児育てたいといったり、聖人級の事をいいだしたから、
それならそうなるんだろうと思って放置していたのだが、急に発情期になった。

それで僕がそれに呆れ気味に、
そもそも君を助けようとした頃は云々といったら、
その言葉尻を捉えてHは冤罪をかけてきた。
発情期のヒトのメスが理性を失い発狂状態になるという場面は、僕の姉でも同様だったので、幾らか慣れていたとはいえ、
今回は流石に冤罪なので怒らざるを得なかった。

Hはバイト先のインド人に交際を申し込まれ困っているだの気持ち悪いだのといっていたと思ったら、
今度は同じバイト先の別の京都男に発情しだした。
大体、1か月くらいでコロコロ言っている事やっている事が変わって、1年前を「大昔」といいだす始末なので、
Hは1か月後もまるで違っているのだろう。

僕はHがたびたび、というか毎度だが、下賎極まりない言動をする場面もよくみた。
無論、SNS上でだが。
Hは当人はTにもまして淑女ぶっているのだけれども、実際そういうお嬢様学校に通っているらしいのだが、
現実の言動の方はTより遥かに品性が低かった。
また本性の方はそれにもまして下品だった。

Hはイケメンイケメンと東京の下品な俗語で、やたら容姿の良い男性に発情する。
僕の自画像をみたと思ったらやはりそういってきて、僕は大層不快だった。
それも一種の性的嫌がらせである。
男性を馬鹿にしているという事に全く気づかない。品性のみならず、凡そ生まれもった知能が低いのである。

このHという人に僕は段々呆れてきて、
家出中にみせた誘惑劇場みたいなのでいよいよ人間性を見限る所まで行った。
そもそも家出中のどっかの大学生の娘が、ホテルに一人で泊まっており、
恋人の居る男性を呼び寄せようとする時点でどうかと思うと僕が繰り返そうとも、
見捨てたなとか逆恨みしてきた。

僕は真面目な上に誠実なので、そんなの行かない。
交尾厨の気持ちが全くわからないでもないにしても、僕の性格からしてMを裏切るわけもないし、大体、Hにしても普段から異常な行動が多くて恐ろしい。
それにイケメンとか言ってる時点で僕からすると三下みたいな感じにみえて女だと思えないのだ。

この時の事を色々思い出したが、
僕はH(上記は誤記でTではない)の手持ちの金がないというので大層心配し、
まず自分の親に相談し自分のいる離れをHに与え自分はビジネスホテルで寝泊りする案を出したが当然断られた。
次にTに連絡をとってHがTの一人暮らしの部屋に滞在できるよう頼んで手配をした。

しかしHは大層なめた様子でそれへ特に感謝するでもなく――今から思うとHのうまれもった性の悪さを、当時の僕は大分買い被っていた。つまり建前ばかりの表面的言動をそのまま受け取ってしまっていた――
高級ホテルで寝泊りし、手元の金は殆どなくなっていっていた。
生活保護も奈良の役所で断られたという。

僕の恋人も、そのままではHは野垂れ死ぬので――そのペースで浪費すれば1か月持たず約2~3週間以内に浮浪者になるのが確定だった――
ネットカフェに移動した方がいいと僕経由で忠告した。
僕はネットカフェなる物を使った事がない。
その忠告は一応Hに伝えたが、ビジネスホテルでもいいのではと伝えた。

所がこの間、Hは大学教授と飲み屋に行って酔っ払うや、抱き寄せられた、気分は不思議と悪くなかったなどふざけた事をぬかしていた。
既に酔ってもいないだろうに、深夜に大阪の街をうろつくや寂しいからきてほしい、奈良を案内してあげるなどと僕にちょっとした写真つきでもちかけてきた。

「抱き寄せられた」の部分をのちに僕が手早く「抱かれた」と表現したら、やたらとセクハラもどきの扱いをしてきたのがこの事件である。
結局これも広義で抱き寄せられるのも抱かれるに入るとしても、隠語として抱かれるが交尾を含んでいる場合があるので、Hが下衆の勘ぐりみたいな事を言ってきている。

そもそも何度こちらが止めようが、何事も経験だだの、援助交際に他ならないパパ活やってみたとか言っている人物が、
安直に酒に酔って大学教授と2人きりでデートだかなんだかをし隣席してなんか哀れっぽい事をいい、抱き寄せられましたとか、
家出してる最中に家出中と言わずにそれとか行動がやばい。

僕は今から考えるとこういう行動をとるやばい人物に同情なんかしないべきだったのだ。
Hの生い立ちの物語みたいなのを聞かされていたので一種の小説的人物としてこの時点ではHにまだ普通に思いいれをしており、
そういう場合じゃないでしょなにやってんの? という感じで親心みたいに接していたのだ。

結局、この後、Hはネットカフェだかなんだかに移動したらしいが衛生的じゃないとかで滞在をやめたとか言っていたと思う。
更に決定的にやばいのは次の事である。
僕は自分のカネをこのHの手元に尽きたらあげてもいいと言ってしまっていた。完全に善意で。
人生経験に学ぶとはこういう事、致命的だった。

Hがあれだけ誘惑じみた言動をしてきていたのは、
よく考えると僕の金ほしさがかなり入っていたのは後から振り返ると明らかだった。
何しろこのネカフェ滞在したといっていた直後に、いきなりHはこう言ってきた。
親から勘当の手切れ金100万円を貰える事になったのでもうあなたはいいです、さようならと。

この世には堕落した女というのが確かに存在する。
その意味ではHが正にそうだったのだろう。
表向きの言動とやっている行動に愕然とする落差があるのも、当人が演技性人格を使い分けているからだと気づくべきだった。
結局蓋を開けてみれば凄まじい悪徳女で、僕へのDMでは追従じみて善女ぶっていただけ。

この時、僕は性善的人格だけに、
Hは家出で気が動転しているに相違ない、
幾ら酷い言動とはいえ大目に見るべきではないか、位の甘い判断をしてしまった。
これも全くの誤りである。
Hがこの後どうしたかといえばその親の手切れ金で美容整形手術をしたといってきた。
しかも家にちゃっかり帰っていた。

我々は下衆根性など理解できないのである。
想像を遥かに下回って下卑ていて、
そういった人達の性悪的行動原理や、
表向きなんとでも嘘をつくたちの悪い演技や、
無反省さ、将来を見通す洞察力のなさ、不道徳の限り、
或いは獣類じみた本性の利己的な野蛮さなど、
どれも同じ人類とは思われない程違う。

H自身がおかしいのか、つきあってる友達がゲスなのか、どちらもなのか、それはよくわからないにしても、
このHの濡れ衣着せてくるときのパターンも、僕からすると、スラム的なものに見えて想像もつかなかった。
Hは「なんでもセクハラ扱いでいいんだ」といった。
「自分が被害だと思えば、何でも加害」

「それなら誰がなに言おうが君の気分一つで有罪だろうに」と僕が反論しようが、Hは当たり前だという。
Hは自分が冤罪事件を作っていると自覚できない。
要は他人の意図が理解できない。
SNS上でのやりとりだからまだ耐えられるものの、現実にそこまで愚かな人と対面してたらと思うとぞっとするであろう。

僕は相手が嫌がる事なんざ頼まれてもしない。
何の事とは言わないが、寧ろある場面でそれをしばしば頼まれてもできなくて困ってるくらいなのだ。
「優しすぎる」とは僕へ周りがよくいう両義的評価だが、思いやりが深いと、相手が求めていない事まで強制的にするという事は決してできなくなってしまう。

しかしこちらが何気なく言った事が、たまたま相手のなんらかの琴線に触れた為、それはやめてといわれたとする。
そしたら僕は二度とそれをその相手にいわないだろう。
それだけの話。
僕に対してイジリとかやめて、嫌いなので、みたいなもんである。
イジリとかいうのをする側としては好意かもしれん。

あまつさえ、Hは僕とは異文化の人間だ。
僕はHの言動の数々に違和感ばかり感じてきた。
特に他人の不幸話、それどころかMの不幸に、Hがゲラゲラ笑いだした時がそうだった。
この時点で僕はHを人間として見限るべきだった。
Hは多かれ少なかれ関西ノリだかのせいにして、適当にごまかしていたと思う。

Hは人の心をもっていなかった。
この後も自分に毎回宿題を手伝わせ、それがみなの前で褒められたとかの手柄は全てHのものだと誇っていた。
当然僕に感謝の念など持っていなかった。
こういうHの性質は、純粋なエゴイズムというべきだろう。
僕はそのHの性格が極端だと知るに連れ、一定距離を置きだした。

だがHは僕を宿題てつだわせ自分だけ手柄を得るのに好都合と考え、
或いは様々な愚痴を聞かせたがる。
これらに僕も親切なものだから、毎度つきあってしまっていた。
その労力と言ったらない。というか、不平不満だの愚行の山を何晩も連続で聞かされる側はストレスしかない。
僕はHを甘えさせてしまっていた。

ま、そういう経緯で僕はHとここ暫くやりとりしていなかった。
というか僕はどっちかといえば心の方が大事なんだから、と止めていたがHが整形したとか言い出し、
Hはコロナ禍でリモート授業を受けていたと思っていた。

だが「人は産まれる場所を選べない」と講義で聴いたので、反出生主義を語っていたHに興味深いだろうと考えてそれを伝えた所、
その会話の一部の言葉尻を捉えてHは冤罪してきたのである。
それというのもHはこの間、大学の勉強など特にしてなかったらしく、いきなり発情期になっていたのだった!

Hのその後は、僕が相手を不快な目にあわせようとしていった部分でないのは明らかなので、悪意ある濡れ衣に怒って説教すると、発狂して消えた。
正直な所これで僕はほっとしている。
以前、死ぬ気がなくなったといっていたHへもういいでしょって感じで放置してたら、向こうから宿題手伝わせにDMしてきた。

Hの一生が今後どうなるかわからない。
ただ自分にいえるのは、このHという人は非常に問題がある人物だったのだ。
それも当人の性格上の問題だ。
それが決定的要因として自殺願望語らせていた。
だが当人はそれに気づく能力がない。うぬぼれているのだ。
そういう人は宗教に頼る結果になると思うのだ。

僕は他にも現実で、Hに近い人を見た事があった。
その人も迷走しまくった末に、都内で、或る割とひどめの生活をしていた。
でも僕はその人にも同情していたのだけれども、これも結局、解決不可能であった。
その人は愚かなので、愚かさに応じた人生しか生きられない。
元々人とはそういうものらしい。

僕はHに、自分にしてやれる事はすべてしたと思う。
それ以上は、神の領域だ。