2020年7月4日

日本勢にとって今後の対中政略および諸国際政策論

香港人は中国政府に封じ込められたという。
本当だろうか?
僕が知る限り、中国一般はそんなに遵法的ではない。
法が機能していたらなぜ、少数民族を弾圧してるのか。
その点からして他の国と混同してると思う。
香港安全法は権威の形式なのである。
単に実力行使だけみてりゃいい。
それ以外に中国政治の現実感はない。

ある香港人に安全法できる前、
なんで独立しないのかと僕は聴いた。
中国に香港人が皆殺しにされるからと彼は答えた。
それが現実感だったのである。
市井の或る香港人も既に知っていたことなのに、
なんで今更騒ぐのか?
一体なにに騒いでいるか全然分からぬ。
中国が遵法主義と思ってるのだろうか?

勝ち筋が寸分もないのに、
暴れればなんとかなると、
あの少年少女は騒いでいた。
僕はこいつら権力なめてるな、
と思いつつ、香港っていいなぁと感じた。
子供が素直で元気だし、
少なくとも政治的な知性の萌芽があるからだ。
それに比べると日本の若者は、
アニメ漫画や性風俗の話題ばかりしていた。

日本の若者というより、
僕がその頃みていたのは、
大体、都市部の子供だ。
東京、愛知、関西、福岡、仙台、札幌。
そういうところの子供は、頽廃していた。
そもそも政治的知性なんて、
政治哲学なんてはるか遠く、
倫理観も皆無だし、
並の知識も一切なかった。
彼らはサブカルしか頭になかった。

その香港人に僕はいった。
「日本では民主主義は悪の原理だ」
彼は驚きつつも義憤を表明した。
彼ら香港人が命を懸け欲しがっている体制は、
日本では衆愚がとうに放り捨てていた。
「若者が選挙に行かないのか?」
と彼が尋ね、その通りと僕が返答すると、
彼は心底呆れた様な複雑な表情をした。

しばらく前、
シールズと名乗る一派が国会前で暴れていた。
その時も、僕はこいついいなと思っていた。
少なくともリーダー格の少年。
なんか低学歴ぽかったけれども、
若者の主張らしくて、とても初々しく、
みてて清々しい感じもした。
こいつが国会議員になるかと思いきや、
院に行くとかいい引退。

シールズがチンドン屋じみた騒ぎしてる間、
京都の或る意識高い系若者としりあった。
その男は大変、シールズを買っており、
デモにも参加したとかいってた様だった。
僕が
「デモで政治を変えられる筈がない」
と、単なる現実的政治力学を述べると、
彼はぶちぎれ、シールズを全力擁護するのだった。

もし、日本の若者一般に、
過度の期待をしている人がいれば、
その人は大いに裏切られる。
普段が全て。
普段からサブカル漬けの人間は、
いざとなって急にハイカル化できない。
政治など全然できない。
急場では特殊な行動をするかと思えば、
人というものはゲインロス効果を除き、
習慣で行動する。

確かに香港人一般は有能だ。
中国の最前衛なだけではなく、
地上の希望だといってもいい。
一体どの国の誰が、
ああまではっきりと中共に反旗を翻したか?
そうすれば殺されるのが分かっているのに、
具体的に武力衝突したのは、無謀だろうか?
ただの若さだったのか。
栄光は、誰の許に帰るのか?

僕個人は、
中国政府がもし本当に少数民族を弾圧しているからといって、
すなわち中国全部が悪であるという論調は、単に陳腐だろうと思う。
自分達は中国製の安売り服に年金や日銀へ預けたカネをやたらめったら貢ぎながら、
片手では中国批判など笑えないダウンタウンのお笑いそのものだ。

全く同じ観点から、
ボリスが英国海外市民旅券(BNO)から、
完全な市民権に道を開くといったのは、
British National Overseas扱いだった香港に、
今更なにをいうのだろうという話でしかない。
香港人一般はイギリスに帰還するつもりがある筈もない。
独立取り返した植民地が海賊に同化したいものか。

はっきりいってこういうことだ、
米英人一般は、随分と共感知能が低く、
相手の立場で物を考えるのが苦手で、
自分の価値観に近い濃度で、
相手と同調する傾向が、より寛容な人々より一層ある。
それは西洋中心主義の起源でもあるが、
要は検査でわかっている様、IQが我々東亜人一般より低いのである。

したがって米英の大衆媒体は、
さも中国政府が悪の権化かのよう報道する。
原爆投下で日帝のアジア統一を邪魔し、
中国の肩をもったのはもう忘れて。
阿片戦争はなかった事にして。
いつものご都合主義による自己中心的論理である。
次の日に彼らに不利になれば、
真逆の事を臆面もなく述べる。

彼ら米英人一般が、
さも日本の味方かの様にいっているのは、
彼らに都合がいい限りにすぎないし、
不都合なら即座に裏切りカードを出すだろう。
だから日本の国会議員のうち、
或いはイギリスに敗戦した鹿児島や山口は、
米英に追随的な寡頭政治を正当化してきた。
調度、鶏の頭の様なものなのだ。

中国政府を潰そうとしている人達が、
一体どんな戦略を持っているのか?
悪だ悪だと述べながら、何も考えていない。
ペンタゴンがそこまで暗愚と思っているのか?
中国と共存する事が世界戦略上有利と判断する限りで、
米国は表と裏の顔を使い分けている。
中国企業ADRの今後の扱いをみるがいい。

もし幻想だとしても、
一帯一路の千年王国が、
アジア統一の真の完成へ向け、
最大の歩を進めている現実がある。
日帝の挫折後に国内でどの思想家が、
アジア全体の、
ひいては全人類の繁栄を構想したという?
高々米英かぶれになったにすぎない。
嘗ては鬼畜生扱いしていた相手に、
暴力で根負け。

自分の目には、米国の逐円社会だの、
英国の階級制だのが、
理想的秩序だとは寸刻も思えない。
寧ろ自分が会話し、
総合的に最も優れた先進国民と感じたのは、
或るフランス人だ。
あるノルウェー人にも多少あれ似た事を感じたが。
誰を模範にするか、それで全く違う未来に着く。
米英は神々ではない。

鳩山由紀夫は、
東アジア共同体といいつつ、
中国を排除した偽の統一をしたがる。
そんな狭隘物はアジア銀行への反定立でしかない。
天心に立ち返れば、インドを含む全アジアを包含すべきだ。
正確には、アジアの語源は西洋からみて日が昇る地を指す。
中東もモンゴルも、ロシアも広義でアジアだ。

中国政府が不寛容な政策を執る。
だから中国政府が悪といえるのか?
具体的に武力衝突で倒す蛮勇もない人々が、
なにせそれをすれば致命傷を得るのに、
そして米国ら国連常任理事に利用されるにすぎないのに、
香港以外の誰が正攻法で正面衝突できるのか。
どう考えても体制内部を腐らせるしかない。

中国史は何度となく、
歴代王朝の内部崩壊を繰り返してきた。
中共支配が千年持つか、百年で終わるか、
それは現時点で見通せないにしても、
より寛容な体制が勝利する見込みも未だない。
それが正義だといえるのならば、
どこかの時代に新政府で馬乗りするしかないのに。
外野の空騒ぎに過ぎない。

私が前から主張する様、
国連常任理事制は撤廃すべきである。
全ての国々が等しい議決権を持つべきだ。
それが真に共和的な全球秩序の基礎になる。
米英流儀のわがままで、
一体どれほどの罪なき善人が、
アジア中で惨殺されてきたか。
ベトナム、イラク、シリア、イラン、
パレスチナだけではない。

全球的な真の巨悪といえる米英の通俗媒体に、
どれほどの倫理的価値があるというのか。
日本の報道が幼稚だといい、
その裏では、イラクで炭疽菌をばらまく。
シリアで現地の民主的政権に爆撃する。
ベトナムを荒らし逃げ惑う。
パレスチナの自治権を奪う。
イランの将軍を抹殺する。
今度は中国か。

日本も米政府諜報の傘下で、
単に国内情報を三沢基地だのから盗聴されているだけでなく、
グーグルが公表しているとおり日本人の個人情報を米政府が法に基づき民間企業から公然と盗み取っている。
そんな状態でいて、
米国は正義だなどとよく信じられるものだ。
無邪気を通り越し、罪深いうぶさ。

米国と同盟があるなどと自信満々でいっている連中。
一体米国がどれだけの国々に同盟をもっていて、
どれだけの国々に米軍を駐在させていると思っているのか。
単に各国を実効的な軍事支配下に置いているだけのことなのだが。
暴れれば首ねっこを絞められる。
それが同盟などとよくいえたものである。

私個人の政見を述べよう。
中国と同盟を組むべきだ。
三角同盟と小沢氏も言っているが、
まさにそれが必要である。
米中を天秤のよう扱い、
どちらかが裏切りそうならもう片方を動かすことで、
自国の軍事独立度を強化していくがいい。
米軍に支配されている現状は、
中国軍への前線基地にされている。

国連で常任理事入りは辞めておけ。
それは抜け駆けに過ぎない。
本当に虐げられている国々は、
嘗ての日本を英雄だと思っているのだ。
米軍の手先になることは自ら汚名を着る事だ。
米中どちらにも一家言をもつには、
単にフランス式に独立軍をもつしかない。
フランスはどの国にも従わない。

中国政府の内部崩壊が明らかになるまで、
日本は対中政略の面で米国と歩調をあわせるべきだ。
だが同時に、米国の犬にされたままは不都合でしかない。
軍事独立度が全ての力の源である。
平和憲法で緊密に自軍を縛りながらも、
できるだけ多くの金を注がねばならない。
チベットやウィグルを救うのだ。

中国政府に各国が攻めあがる時、
それは千年後かも二千年後かもしれないが、
日本軍はその初陣を飾ることになるだろう。
中国を日帝に編入しきれなかったのも、
米英仏らの利己的陰謀にのまれただけ。
大東亜共栄の初心は、
中国をもはや誰の目にも明らかな暴政から解放することで改めて果たされよう。

中国を自由化、共和化し、
複数政党制をもつ独立政府を新たに樹立させ、
少数民族や香港、台湾へ高度自治権を付与する以前に、
日本国内の自民寡頭政治、
或いは中世に於ける身分差別の遺物たる天皇制をなくさねばならない。
もし日本が中国に政争で影響を与えるとて、似姿を創るにすぎないからだ。

日本はできるだけ早く、大統領制を確立しなければならない。
立法と行政が未分離の、議院内閣制はイギリス中世流儀でしかない。
地方自治では既に、知事選と議員選は分離できている。
国政を旧態依然にしている勢力が、世俗政治と民族宗教を混同する愚かな皇室信者ごと戦略的に除去されねばならない。

私はアジア連合を作れると考えている。
そこにできるだけ多くのアジア諸国を編入できると。
中国もインドも、いかなる中東の国々も。
ロシアが参加を望めば、共同開発への道が開かれるだろう。
天心はアジアは1つといった。
彼の思想の起源である北茨城の五浦にアジア連合本部を作るのだ。

北朝鮮は遠からず、市場経済を導入し、
開放貿易に参加せざるをえない。
そのもとで実質的なキム王朝が名目化するか、
それとも共和化されるかは、
北朝鮮人全員の民族自決に任されねばならない。
共和政、或いは多数政治のみが正義の体制だと主張する米国は、単に浅はかである。
愚劣な指導は無視だ。

核保有の問題、
既にこれは時代遅れの議論だ。
核共有のもとで全ての国々を、
いづれかの超大国の傘下に置いたまま、
その使用に国際法上の罰則を作ればいい。
条約違反の国に制裁を義務づける。
そもそも核より凶悪な兵器が複数ある。
MOABや生化学兵器、ドローンなど。
不可侵と軍縮は国連の義務だ。

昨今の米英による保護貿易への回帰は、
彼らが国際貿易の敗北者だと証明するだけだ。
日本は同轍をさけねばならない。
戦時に必要となる物資確保、
具体的には食料、燃料、防衛軍備などの、
最小保護を除き、自由貿易だけが、
各国が最安価に作れる品を交換しあう国際資本を正当化できる唯一の根拠だ。

原発は明らかに公害の致死性が最大の電気工場である。
その事実が世界一はっきりしている時点で、日本が率先垂範し、
先ず国内法で原発の製造・稼動禁止を義務づけねばならない。
また既存原発からの公害についても、十分な罰則を保有会社に義務づけねばならない。
廃物などのお荷物売却で、杜撰な管理をさせない為だ。

海外への原発販売・海外での稼動管理についても、
国内法で先ず禁じ、
廃炉と、軍事転用を除く廃物処理だけを許可する。
全く同様の原則に基づく国際法を、
多国間条約、及び国連議会で提案し、
進んでわが国から批准していくべきだ。
それが東電福島原発事故に対する唯一の真摯な反省といえるのだから。