人生の序盤でできた性格上の歪み又は美徳は、歳を経る毎に習性によって大きくなる。したがってなんらかの悪い癖がついた時、それをできるだけ早くなくす必要が絶対にある。同じく、できるだけ早くよい癖をつけねばならない。
人は理想的な性格に向けどれだけ漸近しても限度がなく、僅かな歪みでも疎かにせず直すに越したことはない。
凡愚は多くの人々が行っているという理由で、即ち多数派に訴える論証(「赤信号皆で渡れば怖くない」式の詭弁)で、悪癖を自他に正当化し易い。だがこのため大衆は特有の失敗を繰り返し、並以上の幸を得られないで死ぬ。