社会に関することである限り、特にいわゆる哲学が伝統的な主題としてきた政治道徳の分野に最終的に帰結するとしても、一般的社会学のいかなる言説についても、統計的手法を含めても、学べば学ぶほど複雑なので何事も断定しない方が賢明なのではないかと思えてくる。
この社会学精神の対極にあるのが、いわゆる差別なのではないか。
社会に関する研究を含む、いかなる言説についても、それを断定的に述べると、ほぼ確実に反対か別角度から否定的に反証できるので、社会学者なる肩書きの人は、大体のとき、科学主義者らから暗愚だと思われている。それは対象が複雑すぎる以上、よほど高度な哲学者でなければ把握や分析できないからだ。