2019年9月24日

理想国の建設

僕の中学の時の或る同級生の女子が、僕に「考えすぎだよ」と言っていた。これ、その後20年経っても、全く意味が分からない。そもそも考えすぎるという状態も意味がわからないが、僕は単に普通に生きていたのだから。裏を返せばその女子は自分に比べ、余り考えずに生きている人だっただけだろうと思う。

 僕はその後、色々な思想家が過去にいたのを知って、大分学んだが(どの位かというと子供の頃から今までずっと勉強していた記憶しかない。純粋に)、いうまでもなく全て網羅などできない。この点で情報はとうに人の限界を超えている。
 数年前、到底学び尽くせないと悟ってからも学び続けているが。
 ゲーテの脳内にいたファウスト博士は、自分と同じで全知の到達不能性に悟って、魂の遍歴後に、理想の国造りを始める所で死ぬ。或る意味、プラトン思想を劇化した代物が『ファウスト』だったのだろう。孔子もカントも、福沢諭吉も、大抵の哲人が結局、学ぶ最終目的は、道徳的な理想国の建設だったのだ。