2019年6月13日

政府は基礎所得を非リスク資産で保障すべき

日銀や年金機構を通じ、政府側が株の運用をするのは、いわば民間人の利益を収奪しているのと変わらない。

 年金機構に限っては、少子化の中、賦課方式で将来の年金を賄うにその方法をとる他なかったとして、個人年金(iDeCo)の枠で積み立てさせるのは、実質的に政府の公的役割りを放棄しているに過ぎない。それは低所得者により不利な二重制度、そして政治的調整の機能不全だからだ。
 また日銀の投資収益は民間全体の富を、いわば政府が自社株買いしているのと変わらないので、日本株の投資家に有利に一見見えるが、実質的には公金を使って日本の上場企業の全体を過剰評価させているのだ。いいかえれば市場価格を実態よりうわぶれさせているだけ、本来より安値で買えた、または市場の実勢をより反映し将来の価格の見通しが立てられた投資家の一般利益を損なっている。そして日銀の収益分は、市場全体に還元されず、同社の株をもっていた一部の株主の利益になっている。

 年金機構が国際分散投資で運用を続けるのは、将来の年金額を日本単独の税収で賄いきれない以上必然としても、個人年金に責任を丸投げせず、年金額を上乗せした、最低限度生活保障を政府が行う事こそ憲法に定める生存権である。したがって株によるリスク資産を除いた分で、政府は最低でもこの基礎所得の分を国債と税収で賄うべきである。
 日銀の保有する日経平均ETF分は、適宜市場放出すべきだが、これはできるだけ早い方が、企業の実態価格が市価に反映されるだけ望ましい。