心理学のプロスペクト理論(得するより損する方が、より恐れを感じ易い。人は損失回避に動き易い)によれば、皇族が庶民の暮らしをするだけで大変な苦痛や不安を感じる筈です。甘いといわれるかもしれないですが、日本史を省みると、革命じみた時に旧権力者を辱めない方が恨みが残らないと思いますよ。かつて薩長藩閥の人達は、将軍権力から天皇権力へ鞍替えする際、旧将軍や彼の擁護者達を大変悪意をもって辱めてしまいました。何しろ単なるテロ、政権簒奪ですから誠実に政治してきた旧体制には許しがたい蛮行です。彼らは李氏朝鮮へも同じ悪行をしました。それで150年後も国内外に遺恨があります。
皇室を民営化するに際し、建前で「皇室は伝統のある立派なお家柄ですから、財政が厳しい折、どうぞよしなに」みたいに丁重に扱うのと、本音で「この殺人邪教の穀潰し共が、身の程を知り貴様らが搾取し虐げてきた浮浪者未満におちぶれろ」と扱うのとでは、後の世からの新政府の評価が違うと思う。
日本人一般は論理的思考がとても苦手で、子供の頃から議論の訓練を積んでいないどころか論理的に反論されると「喧嘩」と勘違いし感情的反発をする癖があります。彼らは人権上、共和政が必然の帰結という論理を理解も尊重もしていないのです。日本人一般を操作する方法があり、それは情緒的扇動です。都内のマスメディアが日常的に行っている商いの手法であり、自民党ネットサポーターズクラブがネット右翼達を醸成した手口でもあります。GHQも類似方法で日本人全体を洗脳していた証拠(WGIPなど)が幾つかあります。つまり幼稚な国民性です。
皇室廃止にあたっては、論理的反論は、上記の理由でほぼ意味がありません。寧ろ日本人一般は論理的回答を求めると反射的に非難する側に回るか、多数派に群れる癖があり、それは義務教育上、「和」を乱さないことを正義と誤認させられているからです。
よって皇室廃止にあたっては感情的かつ一方的な扇動が得策です。