2019年5月21日

右翼一般は社会の反面教師として存在意義がある

或る東京都民の差別主義者の言動を私は或るSNSで観察した。成城出身で仕事場は五反田にあり妻の親族の法律会社勤務、山形の父、北海道の母をもつといっていた子持ちのその男は、「韓国」「田舎」等を差別対象とし頭ごなしにそしり、仕事中SNSで駄弁を弄し怠けながら、不倫相手を常に探していた。この男の脳内をかなりの期間(約3~4年間、できるだけ全言動を追い、思想内容の検証を重ねる)をかけ分析した私は次のことを発見した。
 この男はいわゆるIQが低く思考を節約する為に差別的思想を好む。そしてこれは第三者の目には意味不明に映るが当人の脳内では「正義」とほぼ同一の定義である。この男は日常的に韓国全体を「反日」と呼び差別していたが、或る神奈川出身の韓国人女がこの男に媚を売ると喜んで馴れ合っていた。この矛盾の理由は、当男は身持ちの悪い出会い厨(厨の意味は以下に解説あり)で、性欲は利己性に合致するが、反日認定も当人の利己性と同一視されている偏見らしかった。(厨は厨房、つまり中坊、中学生の略でネット俗語では幼稚な奴らといった意味)。この男は他に「田舎(者)」と呼び私を差別してきたが、私は都内に長い間(人生の約半分ほど)住んでいたので、都内でも行動範囲が限られる彼より都内の或る面に詳しかった。つまりこれも上述の「反日」認定と彼の脳内では全く同じ方法論になっている。いいかえれば彼は差別対象を脳内で捏造する。
 この男の分析だけを理由にネット右翼全体の脳内構図を直ちに演繹できるとは限らないが、私はこの男の脳をサンプル数1のネット右翼的思考のモデルとしてできるだけ多くの角度から研究していた。彼の基本的思考原理は次のものだ。
1.韓国や田舎、反日などの言葉はネット右翼脳内ではただ攻撃対象へ貼る偏見ラベルに過ぎない
2.彼らは、現実に偏見ラベルを不都合と見なした相手になら誰にでも貼る
3.彼らは、偏見ラベルを事実と無関係に貼る
4.彼らは、偏見ラベルを利己性に従って貼る
こうしてネット右翼の脳は、現実を自分に都合がよいものへ歪曲し認知するべく、認知的不協和を最小化する目的で偏見ラベルを乱用する。これがネット右翼、或いは更に一般化すれば右翼的思考が差別を行う根本的理由である。すなわち科学的反証思考、又は批判的思考の対極にある「信じたいものを信じ、信じたくないものは意識の埒外に置くため汚名を着せる偏見ラベルを貼る」といった利己的妄想、現実歪曲の中に生きているのがネット右翼なるものの脳のしくみなのだ。
 この右翼的思考、保守性はゴードンホドソンの中ではより抽象化され一般知能の低さ、又はIQの低さに関わるものと定義されていたが、もう少し詳しく見ると、彼らの脳の潜在容量にとって、世界を無理やり単純化しないと自己の利己的妄想をおびやかす不安になるので、差別という価値づけ方法をとる。右翼的思考の人々は複雑な現実の多様性に混乱をきたす為、自集団又は互恵性が期待できる利己的な同胞(最小単位なら個人で、家族、地域集団、民族、会社、国などと公共化される単位)を他集団から見分けるべく、自動的に差別をしがちだ。差別を法的に禁じると、彼らはこの単純化が使えず苦痛なのだ。
 では我々は一体、この右翼的思考をもつ脳(一般化すれば低IQな傾向があるとされるが、相関は因果ではないので、低IQかつ寛容な脳もありうる)の持ち主をどう扱えばいいのかだが、彼らは現実歪曲の中で自ら強化した妄想に生きているので、判断を誤りがちなのが事実である。右翼的思考を持つ脳が飽くまで利己的に行動したがる場合、認知的不協和から生じる不快感と利己性を天秤にかけ、自らに都合がいい方を択ぶことになる。これがなぜ判断を誤り易い(騙され易い)のにこの種の脳をもたらしがちな遺伝子が残っているかの原因と思われる。
 いいかえると、右翼脳は反面教師の役割を担う為に、現実に生存しているのだ。彼らは差別の癖で損し易い上に、類似した低IQ傾向の悪徳集団にとどまり易くなる。つまり我々は極端な例を別に、彼らの言動を他山の石とし、誤った自集団ひいきの妄想がどんな結果をもたらすか、社会実験として扱うのがよい。