2019年2月2日

傲慢な影響者と謙虚な影響者

メンバーが一定より固定している集団では、その集団からのねたみを買わない様にふるまう方が長期的に得。他方、メンバーが一定より流動的な場では傲慢でねたみを買っても次にその人と再会しないので、長期的な損失より自己喧伝での過剰評価分が上回る。
 なぜ最近の初期インフルエンサー業者が傲慢かというと、ネット空間が拡張的で海外に開かれているので、集団の固定性があまり高くないと思い込んでいるから。つまり日本国とか地球という単位で中長期的にみると、傲慢なインフルエンサーは嫌悪からきた反動で淘汰されていく傾向にあるはず。
 有利と有徳は違うよう、目先の損得に負けなかった人が最後に大成し、自分の利のため自集団を裏切ってきた人が凋落するというのが人間の業。小人は利にさとり、君子は義にさとる。
 ある研究では自信と能力の相関係数は0.3でほぼ無関係らしい(Does High Self-Esteem Cause Better Performance, Interpersonal Success, Happiness, or Healthier Lifestyles? Roy F. Baumeister, Jennifer D. Campbell, Joachim I. Krueger, Kathleen D. Vohs. 2003)。過度の自己評価は否定的な面もあり(Overly positive self-evaluations and personality: negative implications for mental health.  Colvin, C. Randall Block, Jack Funder, David C. 1995)、ダニング・クルーガー効果で自己過信は無能さと正相関する。因果関係の一般論として高能力者は成功し自信を持つが、無能な自慢屋は成功しない。
 根拠の無い自信と成功の相関性は私はよく分からない。一方、無能な自慢屋が一般的成功の必要条件である有能性を欠いているというのは明らかなので、自己の能力への正確な認知としてのある種の謙虚さが、自己過信よりは重要の様に思われる。池田氏が過信を持っているかは全く分からないが。