2019年2月7日

難読外来語をありがたがる衒学の風習

(安倍首相「(私は)総理大臣でございますから、神羅万象すべて、担当しておりますので」発言(2019/2/6参院予算委、国民民主党・足立信也氏からの質疑への答弁)は、ヤンキーと呼ばれる人達が万葉仮名風の難読語を使う傾向と相似というツイッター上の見識に宛てて)
森羅万象発言は安倍晋三神が全宇宙を担当してるという独裁者末期の誇大妄想なんだろうけど、難読漢語をありがたがるとか、カタカナ英語を直接日本語で使いたがるとか、日本の知識人も同じ傾向の衒学さをもっている。ヤンキーと呼ばれる人達を蔑視するのは、単なる偏見。そもそもYankee(ヤンキー)ってアメリカ人の愛称だから、これもカタカナ英語衒学の一部で、不良とか低学歴な人達とか何か別の蔑称の様なものに俗語の中で変容している。
 更にさかのぼると、万葉仮名にヤンキー語の起源はある様に思う。日本人が奈良時代に日本語を表す文字がなかった為、吏読を援用し漢字音を当て字にして使っていた。同時にこのとき使用頻度の低い難読漢語の使用率が、漢学者として語彙力の証拠となったのではないか。平野啓一郎『日蝕』が康煕字典を引いて衒学的語彙を駆使して書かれているのは、この感覚の余波ではないか。
 つまり日本人は英語だの漢語だの外来語で多少あれ似た様な権威づけをしてきたのだ。