実証主義者は科学的認知バイアスに陥り易い。彼らは偽だが善であったり美であったりする様な対象とか、度合としてすら適切でない様な人情の機敏について軽視してしまう。実証科学的信念、例えば統計的事象の確率的真を絶対視している者は目の前の経験や事実より権威づけられた科学知識を優先したがる事さえある。目的の学としての形而上学(後自然学)に進むことを怠り、初歩的な形而下学にとどまったり、そもそも形而上学のコペルニクス転回的構造に無知のまま多少あれ厳密な実証性を範囲外に無理やり適用しようとする理系馬鹿と呼ばれる人々は、実証科学というオーギュスト・コントの創始した新興宗教に魂を捧げてしまったのだ。単なる就業や虚飾の為の経歴造りの道具としか学問を見ない学歴馬鹿と呼ばれる様な人々の無知は更に酷く、科学精神に対して単なる権威主義者である場合が殆どだろう。