2017年7月9日

労働と芸術

労働は卑しく哲学は尊い。
 商売は賎しく芸術は貴い。
 権力闘争を含む政治は卑俗で、良心を問う宗教は聖性に足る。
 人は高尚なものと共にあれば引き上げられ、低俗なものと親しめば堕落する。卑俗な人々と親しむな。大衆一般に合わせるな。俗人の幸はむなしい。
 大金は堕落させ、清貧は人を鍛える。蓄財を旨とする人々は他人から疎まれる。徳に基づいて生きる人は救われている。例え僅かであっても、慈善は膨大な貪欲より人を慰めるであろう。金銭を貪る傲慢な満足は、日々の僅かな寄付に劣る社会しか作り得ない。大金持ちによる大金の寄付は蓄財の免罪符に過ぎない為、全ての身銭に対する寄付の割合のみが、真の善意と理解せよ。下人は物欲や不安で身売りするが、上人は金品に動かされず安泰に留まるであろう。権威を期待して権力者に媚を売る人達は、大衆にすりよって金儲けする人々と大差なく浅ましい。人生では宗旨替えする事なく、終始一貫して徳目の詳細を穿て。高徳は人を幸いにし、純粋な善意は真の権威をまとわせる。
 純粋芸術は商業芸術に優っている。商業作品は通俗的内容で下らなく、俗受けによる金儲けの手段にすぎないが、単に思想の表現でしかない純粋芸術のみが真の芸術なのである。この為、純粋芸術を探求する人々のみが、尊い芸術家なのである。