2017年6月11日

祭政並立論

現日本のあるべき政体は祭政一致(政教一致)と政教分離を調和させた、祭政並立の体制である。ここでいう祭、教は宗教である。神道長が象徴である事は一宗教の象徴化、国教化に過ぎず望ましくない。祭政は分離されねばならないので天皇家は国政の外に独立させられ税からその皇室関連費が一切支出されてはならない一方で、信教の自由が憲法上に存在している限り、何れの宗教も政治家個人の信仰の範囲で、祭祀可能である。
 抑、政教分離は厳密には不可能であって、何らかの信義、何らかの主義、思想は何れも宗教、信仰に過ぎない。個人主義、資本主義、自由主義、民社主義、社民主義、共産主義、原理主義、無政府主義、これらも単なる新宗教の面々でしかない。従って政教分離はそれ自体にあって矛盾する。なおかつ、祭政一致は一宗教を国家国民全体に敷衍せざるを得ず、信教の自由と矛盾する。祭政一致と政教分離、両者の矛盾を止揚、揚棄したものが祭政並立の体制というべきだろう。