人は見た目の美や装飾ではなく、清潔さや貞操等の徳目、或いは身体の性的特長に現れた健康さ、誘惑性といったエロス、愛欲を人やその似姿に見てとるとき、美と感じている。いわば機能とか模範性としての理想的観念を美とみている。つまり見た目自体を愛好している人はいないのだ。これらの見た目はある徳目あるいは愛欲の象徴である。
仏教は乞食階級に反社会行動に走らせない為の抑制的宗教だ。乞食に利他行動をされると人はその人達を巧く見下せない。仮に見下したとしても、乞食より搾取罪を犯した事実があるので立場が卑しいままである。仏教は、或いはキリスト教もこの意味で経済的敗者が捨て身になって利他に走る事を勧めた、敗者復活の技だ。