2016年12月12日

涅槃について

Nir=打ち消し語、vana=吹かれる、ニルヴァーナとは「吹かれない」事。非吹。欲に煽られない事。Nirvanaは欲が吹き消された無欲の状態。仏教はこの無欲の状態に長居する事を目的にしている。涅槃(ネハン)はニルヴァーナが訛った俗語からの音写語。中村元訳『ダンマパダ(ブッダの真理のことば)』10章ではnibbana。人体ある限り基礎欲求は消えないので、有余涅槃(仮の無欲)を長期化できるだけ。死が真の無余涅槃。仏教上の無欲は基礎欲求が必要なだけ満たされ、かつ、高次の欲求が生の否定によって最小化された状態を意味する。仏教で到達できるニルヴァーナの状態は、生きている間においては少欲であり、死後の永眠を理想視する。